レッドブル・リンクのコース上でバトルするフェラーリのセバスチャン・ベッテルとレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、F1オーストリアGP決勝レースにて
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2020年のF1は史上最強の大接戦に?「かつてないほど競争のレベルが高まっている」とフェラーリ

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F1で四半世紀のキャリアを持つスクーデリア・フェラーリのマッティア・ビノット代表は、メルセデスとレッドブル・ホンダを含む3強によるトップ争いはかつてない程に激しく、F1史上最強レベルにあると考えている。ビノット代表は1995年にテストエンジン・エンジニアとしてフェラーリに入社。数々の歴史を目撃してきた。

2014年に1.6リッターV6ハイブリッド・ターボが導入されて以降、このスポーツの絶対王者として君臨しゲームを支配してきたのはメルセデスだが、フェラーリとレッドブルはシーズンを経る毎にドイツ・シュトゥットガルトのチームに接近。2019年シーズンはシルバーアローのダブルタイトル6連覇という幕締めとなったものの、マラネッロとミルトンキーンズのチームは幾度となくその覇業の道に立ち向い、時にこれを圧倒した。

競争が激化している背景には、現行の空力・エンジンレギュレーションが円熟期を迎えていることに加えて、マックス・フェルスタッペンやシャルル・ルクレール、ランド・ノリスやピエール・ガスリー、そしてアレックス・アルボンといった新世代の実力派ドライバーの台頭がある。

現行規約の最終年となる2020年シーズンは、昨季と比べてレギュレーションもドライバーラインナップも安定しているため、更なる接戦が予想されている。ビノット代表は2020年のF1世界選手権の行方について、フェラーリのオフィシャルサイトのインタビューの中で「競争のレベルはかつてないほど高くなっている」と述べ、歴史上最も難しい一年となる可能性があるとの認識を示した。

ビノット代表は更に、現在のフェラーリにはシャシー、エンジン、ドライバー、戦略など、勝利に必要なものが全て揃っているとしながらも、ライバルも同じ水準のリソースを持ち成長し続けていると主張。最終的な結果を左右するのは”成長速度”との考えを示した。

「我々は成功を収める上で必要不可欠な要素のすべてを持ち合わせているが、我々と同様にライバルもまた、改善のために自らを高めているわけで、決して侮る事はできない。だが、比類なきティフォシのサポートと、如何なる代償を支払ったとしても守るべき伝説がある事こそが、我々フェラーリのアドバンテージだ」

「F1では、すべてが効果的かつ効率的である必要がある。端的言えば、1000馬力のエンジンを開発する事自体ではなく、それを如何にしてライバルよりも先に成し遂げるかが重要なのだ。効率的な手順あってこそ初めて開発のスピードを上げることもできるのだから」

激戦を予想するのはフェラーリだけではない。レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表もまた、2020年は昨季を上回る死闘のシーズンになると考えており、新たな歴史の1ページが刻まれる可能性に言及している。