FOTA
FOTAとは、フォーミュラ・ワン・チームズ・アソシエーション(Formula One Teams Association)の略。F1に参戦するチームが2008年から2014年まで結成していた組織・グループ。F1に参戦するチームの利益を守るために、FIAおよびFOMとの協力の下、レギュレーションや商業契約に関して話し合い・提言を行っていた。
初代の代表は、元フェラーリ社長のルカ・ディ・モンテゼモーロ。2代目の代表は、マクラーレンのマーティン・ウィットマーシュが務めていた。
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FOTAの主な活動内容
レギュレーションの提言
レギュレーションの技術規定部分に対する改革案を検討・作成するテクニカル・ワーキング・グループと、競技規定部分に対する改革案を検討・作成するスポーティング・ワーキング・グループの2つの部門を設け、FIAと連携しながら次世代のレギュレーションへの提言を行っていた。また、年々増加する開発コストを抑制するために、コスト削減案の提案もしていた。
FOMとの商業契約の交渉
F1の商業権を管理するFOMと、コンコルド協定の更改条件について交渉。参戦チームが不利にならないよう、チーム同士が団結することで交渉力を上げたわけである。
ファンの拡大
ファンズ・フォーラムという名前のトークショーを開催するなど、F1ファンの拡大に向けた活動も行っていた。
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一枚岩ではいかないチーム事情
参戦チームはマニュファクチャラーとインディペンデントの2種に大別できるが、この両者ではそもそも利害が一致しない。
例えばコスト削減案はインディペンデント系のチームにとっては切実な問題であるが、マニュファクチャラー系のチームにとっては厄介な代物でしかない。そんな2種類のチームから成るFOTAが万事良好に継続できるわけもなく、結局6年間の活動で幕を閉じた。
FOTA以前は、GPMA(グランプリ・マニュファクチャラーズ・アソシエーション)やGPWC(グランプリ・ワールド・チャンピオンシップ)というFOTAと似たの目的をもった組織があったが、これは”F1参戦チーム”から成る組織ではなく、”F1参戦している自動車メーカー”からなる組織、つまりマニュファクチャラー系チームだけで結成された組織であった。にも関わらず、こちらも途中崩壊してしまっており、FOTAはGPMAと同じ末路を辿ることになったのだ。