2023年にウィリアムズF1チームのチーム代表に就任した元メルセデスのジェームズ・ボウルズ
Courtesy Of Williams

ウィリアムズF1、新チーム代表にジェームズ・ヴァウルズを起用…メルセデスから引き抜き

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ウィリアムズ・レーシングは1月13日(金)、メルセデスAMGペトロナスF1チームでモータースポーツ戦略ディレクターを務めていたジェームズ・ヴァウルズを新たなチーム代表に任命した事を明らかにした。

コンストラクター選手権最下位に終わった昨シーズンを経てウィリアムズは、チーム代表を務めていたヨースト・カピートの退社を発表。2023年型F1マシン「FW45」のカラーリング発表を含むローンチイベントを2月6日(月)に控え、後任人事に注目が集まっていた。

ジョージ・ラッセルと語らうジェームズ・ヴァウルズ-2018年ハンガリーで行われたインシーズンテストにてCourtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

ジョージ・ラッセルと語らうジェームズ・ヴァウルズ-2018年ハンガリーで行われたインシーズンテストにて

ブラウンGPとメルセデスで計9度のF1コンストラクターズ・タイトル獲得に貢献してきた43歳のイギリス人モータースポーツ・エンジニアは、バーレーンでのプレシーズンテスト開幕3日前の2月20日に英国グローブのチームに合流する。

ヴァウルズは就任発表に際して「このような素晴らしい伝統を持つチームに参加できることを光栄に思う」と語った。

「ウィリアムズはF1を象徴する存在であり、また私が非常に尊敬しているチームだ。これからの挑戦が本当に楽しみだ」

「メルセデスはこれまで、私の旅路を大いにサポートしてくれた。20年以上に渡るブラックリーでの仕事を経て素晴らしい条件でチームを離れる事になった。トト(ウォルフ)並びにチームに対して感謝している。失敗や成功をともに経験できたのは特別なことだった」

「ウィリアムズ・レーシングは私を信頼し、そして信用してくれている。私もまた同じ様に彼らを信じている。ウィリアムズは大きな可能性を秘めている。我々の旅は数週間を経て新たにスタートする」

ヴァウルズについてメルセデスのチーム代表兼CEOのトト・ウォルフは「近年の成功に不可欠な役割を担ってきたメンバー」であるとして、去り行く仲間に対する感謝を口にした。

「2013年に初めてチームに加わって以来、私は彼と共に仕事に取り組んできた。そのため彼が如何に勤勉かつ有能で、また才能ある人物であるかを知っているし、過去10年間に渡ってジェームスが成長していく様を見ることに大きな満足感を得てきた」

「昨年シーズンの半ばにピットウォールから退いて以降も彼は、戦略チームの能力を高め続けてくれた。才能あるストラテジーチームは今後も素晴らしい仕事をしてくれるだろう」

「こうした有能なチームメンバーに別れを告げることは当然悲しいことだが、F1で素晴らしいチーム代表となるために必要となるスキルのすべてを彼が備えていることに何の疑いもない」

「彼の今後の成功を祈るとともに、彼が我々の強力な技術パートナーであり、私自身にとっても思い入れのあるウィリアムズでキャリアの次のステップを踏み出すことを嬉しく思っている」

1979年6月20日にイースト・サセックス州フェルブリッジに生まれたヴァウルズは、ブリティッシュ・アメリカン・レーシングでF1キャリアをスタートさせ、以降、英国ブラックリーのチームでキャリアの全てを過ごしてきた。

ロス・ブラウンによるホンダ・レーシングF1チームのマネジメント・バイアウトを経てブラウンGPでレース・ストラテジストに昇格。ジェンソン・バトンの2009年F1ワールドチャンピオン獲得に大きな貢献を果たした。

メルセデスによる買収後もチームに留まり、2010年からチーフ・ストラテジストを務めると、過去4年はモータースポーツ戦略ディレクターとしてウォルフを支えてきた。