F1オランダGPでの大クラッシュを受け、ウィリアムズはローガン・サージェントの交代を検討しており、日曜のザントフォールトがラストレースになる可能性があると複数のメディアが報じた。

サージェントは予選を直前に控えた土曜のFP3で、右フロントを芝に落としてコントロールを失い、高速のままターン6のバリアに激突した。幸いにもシャシーは無傷だったようだが、アップグレードパーツを搭載したFW46は無惨な姿に成り果てた。

修復作業が間に合わなかったため、サージェントは予選を欠場した。メカニック達は、場合によっては日曜のレースに向けて徹夜で修理に取り組むことになるかもしれない。最後尾からの逆転入賞の可能性は乏しく、パーツの温存という観点からサージェントは旧スペックのマシンでグリッドに着くことが予想される。

独Auto Motor und Sportは予選を前に早くも、ウィリアムズがサージェントの交代を検討している可能性を報じ、後任候補としてメルセデスのリザーブドライバーを務めるミック・シューマッハの名前を取り上げた。

報道によるとチーム代表のジェームズ・ヴァウルズは「新しいパーツを装着した2台のマシンを準備するために、100名のスタッフが何週間もかけて大規模アップグレードに取り組んだのに、すべてが一瞬で台無しになってしまった。不必要な事故だった。雨の中の3回目のプラクティスでリスクを冒すことはない」と述べ、幻滅した様子を見せたという。

また、「感情的に判断したくない」とも述べたというが、パドックではサージェントの将来についてさまざまな憶測が飛び交っており、蘭De Telegraafもシューマッハが候補の一人だと伝えた。

チームは既に来季以降のアレックス・アルボンのチームメイトとしてカルロス・サインツ（フェラーリ）との契約を発表しており、いずれにせよサージェントはウィリアムズを去ることが決定している。

メルセデスからの来季デビューが確実視されているアンドレア・キミ・アントネッリも選択肢の一つとなり得るが、トト・ウォルフはレンタルに否定的だと考えられている。

シューマッハの他にはウィリアムズ・ジュニアのフランコ・コラピントやレッドブルのリザーブ・ドライバー、リアム・ローソンが後任候補として取り沙汰されている。

交代のタイミングとして両メディアは、不慣れなクルマではクラッシュのリスクが高い市街地コースでの連戦が始まる前の次戦イタリアGPが濃厚と見ている。

ヴァウルズはかねてより、シーズン途中でのサージェント交代の可能性を除外しておらず、継続的に評価していると明かしている。

F1オランダGP特集