WECトヨタ、8号車がハイパーカー時代初の勝者に「誇りに思う」と中嶋一貴 / 第1戦スパ6時間《決勝》
2021年FIA世界耐久選手権(WEC)開幕スパ・フランコルシャン6時間の決勝レースが5月1日に行われ、トヨタGR010 HYBRID 8号車が優勝を飾り、ハイパーカー時代初のウィナーとして歴史に名を残す事となった。
中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー駆る8号車は11周目に僚友7号車を交わして首位に立つも、1回目のピットインの際に、給油時に最低35秒間ノズルを差し込まなければならないという今季導入の新規則に違反し30秒間のペナルティを科された。
ただ終始着実な走りを見せて2位アルピーヌ36号車(アンドレ・ネグラオ、ニコラス・ラピエール、マシュー・バキシビエール)を抑えて、1分7秒196差でトップチェッカーを受けた。
TOYOTA GAZOO Racingはこの日の勝利でスパ5連覇を達成し、3年連続となる世界チャンピオン獲得に向けて勢いをつけた。
順位 | ドライバー | チーム | 周回 | 差 |
1 | #8 TOYOTA GAZOO Racing トヨタ GR010 HYBRID |
セバスチャン・ブエミ 中嶋一貴 ブレンドン・ハートレー |
162 | |
2 | #36 アルピーヌ・エルフ・マトムート アルピーヌ A480-Gibson |
アンドレ・ネグラオ ニコラス・ラピエール マシュー・バキシビエール |
162 | 1:07.196 |
3 | #7 TOYOTA GAZOO Racing トヨタ GR010 HYBRID |
マイク・コンウェイ 小林可夢偉 ホセ・マリア・ロペス |
161 | 1 Lap |
4 | #22 ユナイテッド・オートスポーツ Oreca 07-Gibson |
フィリップ・ハンソン ファビオ・シェーラー フィリペ・アルバカーキ |
161 | 1 Lap |
5 | #38 イオタ Oreca 07-Gibson |
ロベルト・ゴンザレス アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ アンソニー・デビッドソン |
160 | 2 Laps |
6 | #28 | ショーン・ゲラエル ストフェル・バンドーン |
レースを振り返った中嶋一貴は、アルピーヌやLMP2マシンと戦い抜くのは「容易ではなかった」として「ハイパーカーでの初レースで勝てたことを誇りに思います」と語った。
ポールポジションを獲得した7号車(マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス)は最初のピットストップの際に手間取りタイムをロス。更にはGTマシンとの接触により車両前部にダメージを負った後、残り2時間を切ったところでコースオフを喫してグラベルに捕まり、接触によるドライブスルーペナルティによって戦線離脱を強いられ1周遅れの3位でフィニッシュした。
接触の際にステアリングを握っていたロペスは「後悔している。とても難しい状況だった。今日の結果からは学ぶべきことが沢山ある」と述べ、次戦以降での挽回を誓った。
またオースオフを喫した小林可夢偉は「車両を壊さずに済みましたが不運にもグラベルで動けなくなってしまい、レスキューカーを待たなければなりませんでした。それまでのペースを考えると十分に勝利を狙える位置にいただけに残念です」と語った。
コンウェイは「ドライブスルーペナルティだけなら取り戻せた可能性もあった」としたが「可夢偉のコースオフで周回遅れになってしまったことで表彰台が精一杯」と振り返った。
https://www.youtube.com/watch?v=eFZdoeg3B9s
次戦は来月、WEC初開催となるポルトガルで、ポルティマオ8時間レースとして行われる。