2019-20年 FIA世界耐久選手権（WEC）第7戦として開催されている第88回ル・マン24時間レースが23時間を消化。残り60分を迎えた最終盤に、表彰台を争うルイ・デレトラズ駆るレベリオン・レーシング3号車にトラブルが発生し、ホセ・マリア・ロペスがドライブするTOYOTA GAZOO Racing7号車が3番手に浮上した。

レベリオン3号車は残り2時間半を切ったところでクラッチと思しきトラブルに見舞われ、ピットアウトの際に毎回マシンを前に進める事が出来ずタイムをロスする状況に陥っていた。この結果、僚友1号車に2番手の座を許し3番手に後退していたが、残り1時間を目前に更なる悲劇に見舞われた。

ハースF1チームのリザーブ兼テストドライバーを務めるデレトラズは、クラッチの問題故か、オーバースピードでインディアナポリスに侵入。グラベルを乗り越えタイヤバリアに軽く接触した。

この結果緊急ピットインを強いられ、リアバンパーとタイヤを交換。マシンの損傷確認を経てメカニックがクルマをガレージに入れようとしたところ、クラッチが切れなかったようで後輪が空転し、一旦ジャッキを降ろさざるを得ない状況となったところで僚友1号車がピットインしてスタックした。

1号車は1分45秒のロスタイムでコースに復帰したものの3号車はガレージへと収まり、ターボチャージャーのトラブルのために30分を失って失意の4番手に後退していたトヨタ7号車が逆転の3番手に浮上した。

一方、首位を走るトヨタ8号車は、残り2時間18分でセバスチャン・ブエミから中嶋一貴にドライバーを交代。2番手を走行するレベリオン1号車に6ラップ差をつけてレースをコントロールしている。

24時間のレースは残り1時間を切ったところで、デンプシー・プロトン・レーシング99号車がテルトル・ルージュのタイヤバリアに衝突。バリア修復のためにスローゾーンが設けられていたが、残り40分を前に解除された。

だが直後に、今度はジャン=エリック・ベルニュが乗るGドライブ・レーシング26号車がサスペンションを破損しコースオフ。更に、ジェームス・アレンが駆るSO24-Has by グラフ 39号車がポルシェカーブでクラッシュし、セーフティーカーが導入された。

すると今度はクラス5番手を走行していたドラゴン・スピードUSA 27号車が失速。23時間に渡って影を潜めていた”マモノ”が、遂に牙を剥き始めた。

2020年ル・マン24時間レース 23時間経過順位