女性限定のフォーミュラレース「Wシリーズ」のマシン、2022年
Courtesy Of W Series

女性ドライバー限定の「Wシリーズ」が破産申請、発足3シーズンで

  • Published:

財政難により2022年シーズンが早期終了された女性ドライバー限定のフォーミュラレース「Wシリーズ(英:W series)」が破産申請した。破産管財人のイヴリン・パートナーズが6月15日、明らかにした。

「男性と同じ機会を与えられれば、女性も男性と同条件で競い合える」との信念の下、2018年に発足したWシリーズは昨年10月、最終2戦を待たずにシーズンを即時終了すると発表した。

WシリーズのロゴCourtesy Of W Series Limited

Wシリーズのロゴ

以降8ヶ月間に渡って、投資家との間で売却を含む広範な話し合いを続けてきたものの実現には至らず、経営破綻した。残っていた最後の従業員も解雇された。

イヴリン・パートナーズは「将来的にWシリーズが再開できるよう、利用可能なすべての選択肢を検討する」と述べた。

同社の弁護士、ケビン・レイは「このニュースは、同社の従業員とドライバー、そして選手権の世界中のサポーターに動揺を与えるだろう」と述べた。

「流動性の問題から同社は2023年のレースシーズンにコミットすることができなかった」

「取締役は、事業売却の可能性とともに、追加資金のために様々な関係者と協議を重ねてきたが、残念ながら、これらの話し合いは進展しなかった」

初開催の2019年を含め、全てのシーズンを制したWシリーズ唯一のチャンピオン、ジェイミー・チャドウィックは今年、アンドレッティ・オートスポーツと契約し、インディNXTシリーズに新天地を求めた。

日本からは「Juju」こと野田樹潤と小山美姫が参戦した。

表彰台の上でガッツポーズを執る優勝したジェイミー・チャドウィック、2022年7月23日Wシリーズ第4戦フランスCourtesy Of Williams

表彰台の上でガッツポーズを執る優勝したジェイミー・チャドウィック、2022年7月23日Wシリーズ第4戦フランス

Wシリーズの将来が疑問視される中、F1は昨年、女性限定シリーズ「F1アカデミー」を新たに立ち上げた。開幕3戦を終えてプレマ・レーシングのマルタ・ガルシア現在、ランキングトップに立っている。

イタリア出身のレラ・ロンバルディオはF1史上初めて入賞した女性ドライバーとして知られるが、彼女が12位完走を果たした1976年の第11戦オーストリアGP以降、女性としてF1の決勝レースに出走した者はいない。