角田裕毅の的確な走りに笑みを浮かべるマグヌッセン、1点を巡るF1サウジでの熾烈な攻防を経て
Published:
F1第2戦サウジアラビアGPでの1点を巡る熾烈な攻防を経てケビン・マグヌッセン(ハース)は、今季初入賞への満足感を示すだけでなく、角田裕毅(アルファタウリ)の的確なドライビングを称賛した。
ミディアムタイヤを履いた第1スティントでの見事なタイヤマネジメントにより角田裕毅は、ランス・ストロール(アストンマーチン)のストップに伴うセーフティーカーの好機をつかみ取りポイント圏内に浮上した。
1秒差でポイント獲得を逃した前戦バーレーンGPの雪辱を果たすべく、その後は20周近くに渡ってマグヌッセンを抑え込み、10番手で最終盤へと向かっていった。
残り6周、最終コーナーに向かう角田裕毅はポジションを無理に死守しようとはせず、クルマをアウト側に振ってマグヌッセンを前に出した。このままでは守り切れないと踏み、最終コーナー出口でDRSを取る戦略に切り替えたのだろう。
この試みは成功し、ターン1を前に10番手を奪取。ラスト5周へと向かうかに思われた。
だが、抜かれた直後にマグヌッセンはAT04の背後に周りトウを得て、ターン1のブレーキングでイン側に飛び込んだ。
ターン2に向けて角田裕毅はアウト側のラインを取り、ターン4に向けて再度のオーバーテイクを狙ったが、一旦前に出たマグヌッセンとのペース差は圧倒的で、最終的に2.668秒差の11位でフィニッシュした。
ポジションを失った直後、角田裕毅は「あーっっ!!」とのみ声を上げた。罵声を立て連ね、怒りを爆発させる以前のような姿はなかった。
50周に渡る戦いを終えたマグヌッセンは、ポイントを手繰り寄せた45周目の動きについて「あれはいいオーバーテイクだった」とした上で、「ユーキは何周にも渡って僕を背後に抑える素晴らしいディフェンスをしていた」と笑顔を浮かべながら若きライバルを褒め称えた。
「ここぞという肝心な局面で僕のエアロを失わせるために的確な場所を走行し、ターン1でポジションを守るために最終コーナーでは常に上手い立ち上がりをみせていた」
バーレーンでは13位と、今回が初ポイントとなったマグヌッセンは、前戦よりもデグラデーションが「遥かに良かった」として、ジェッダでの週末を通してセットアップ面で一歩前進したとの考えを示し「満足だ」と付け加えた。
とは言え、ジェッダ市街地コースはそもそも、バーレーンよりも路面が圧倒的にスムーズでタイヤへの攻撃性が低い。
当然マグヌッセンもその事は承知しており、次戦オーストラリアGPを含む今後のレースでも同じようにデグラを抑える事ができるかどうか見守りたいと語った。
以下のInstagramの投稿を右に送っていくと、角田裕毅とマグヌッセンの攻防、チーム無線、レース後のインタビューを収録した動画を見る事ができる。