セバスチャン・ベッテル、F1を経て脳外科医に転身? ステアリングを置き手術室へ…仕事ぶりを学ぶ

ダナン総合病院で患者のX線写真を確認する神経外科医のポール・ポーレンスキー中佐(中央)、2016年7月22日ベトナムにてcreativeCommons U.S. Pacific Fleet

4度のF1ワールドチャンピオン、セバスチャン・ベッテルがウーヴェ・スペッツガー脳神経外科部長からの招待を受け、ドイツの南西部のカールスルーエ市立病院で”一日脳外科医”を体験した。

好奇心旺盛な35歳のドイツ人ドライバーはレーシングスーツから青色の手術着に着替え、シリコン製の脳モデルを使って手術がどのように行われているのかを体験し、この日実際に行われた2つの手術に立ち会い、脳外科医の仕事ぶりを学んだ。

ひとつは脳腫瘍によって片麻痺となっている女性患者の嚢胞を取り除く手術で、もうひとつは頸椎の椎間板をチタン製の「ケージ」と呼ばれる代替物に置き換える手術だった。

ベッテルを含むゲスト研修生にとって手術室への入室は緊張以外の何物でもなかった。

独「Neueste Nachrichten」によればスペッツガー脳神経外科部長は事前に、医者の仕事と恋愛を描く人気ドラマ「グレイズ・アナトミー」を見る事ができる人なら耐えられる」と語り「それに気絶するのに、あそこより良い場所はない」とアドバイスした。

最初の手術は患者の頭蓋骨に穴を開けるところから始まった。外科医が顕微鏡を通して見るものは大型モニターに映し出される。一日脳外科医達は骨の一部が取り除かれ、メスで髄膜を切り開く外科医の仕事に見入った。

3時間に渡る手術見学を通してベッテルは、外科医とレーシングドライバーの仕事の共通点に気づいた。

ベッテルは「自分自身と自分の技術に自信を持ち、自分の仕事を楽しむ事が必要だ。それが正確さと向上心に繋がる」とした上で、両者共に成功のためには優れたチームが必要だと指摘した。

「残念ながら、これは過小評価されがちだけど、スポーツの世界も人生と同じように、いつだって他の人々の支えが必要なんだ」

脳外科医への転身の可能性について問われたベッテルは「もちろん、この仕事は本当にエキサイティングだけど、あまりにも長い間、ベンチに座って勉強しなきゃならないだろうね」と笑った。

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