セバスチャン・ベッテル「チャレンジ次第」F1復帰除外せず
4度のF1ワールドチャンピオンに輝いたセバスチャン・ベッテルは引退から半年を経て、現時点では頭の中にないとしつつも、将来的なF1復帰の可能性を否定していない。
36歳の元ドイツ人F1ドライバーは2022年シーズン末を以てキャリアに終止符を打った。現在はレース活動を行っておらず、家族と過ごす時間を大切にしながら、関心事である環境問題に取り組んでいる。
しかしながら、2年のブランクを経てF1に戻った42歳のフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が表彰台を連発している事もあり、6歳年下のベッテルの復帰に関する憶測は絶えない。
ニュルブルクリンクでのレッドブルのイベントに参加したベッテルは英「Sky Sports」とのインタビューの中で、同じF1王者のアロンソやナイジェル・マンセル、キミ・ライコネンのように、活動休止後にF1に復帰する可能性はあるかと問われると「ノーとは言えないね。だってどうなるかなんて分からないんだから」と答えた。
「彼ら(アロンソ、マンセル、ライコネン)に同じ質問をしたら、おそらく何人かは『ノー』と答えただろうけど、最終的には彼ら全員が復帰したわけで、可能性を除外することはできないよ」
「多分、それはいつかという事に大きく左右されるだろうね。リミットがある事は明らかだから。だって36歳になった僕が『10年後に戻る予定だ』なんて事はないんだからね」
ベッテルは現時点で復帰を模索しているわけではないと強調するが、実際にカムバックを検討する上では、競争力のあるマシンを持つチームからのオファーが大前提となりそうだ。
「時間が経てばそれについて考えるかもしれないけど、それはそのチャレンジ次第だろうね。何にせよ、今は頭の中にはない」とベッテルは語る。
「今は、これから何をすべきかを考えるのが楽しくてね。レーシングドライバー、スポーツマン、そしてスポーツウーマンにとって、辞めたあとに何をするかというのは一番のチャレンジだと思う」
「どういう競技に取り組んでいるのか、またその人自身の考え方にもよるけど、誰もが30~35歳、40~45歳になると、これからどうする?って考えると思うんだ」
「人生はまだ長い。世界最速のクルマに乗って絶対的な限界に挑むレースをしなくたって人生は素晴らしいものになり得るし、大きな喜びを与えてくれる色んな素晴らしい事に取り組む事ができるんだ」
F1マシンが発生させる強烈なGフォースに耐えうるほど首は強くないとしつつもベッテルは、現役を退いた後もライフスタイルの一環としてトレーニングを続けており、いつでもレースができる状態にあると認めたが、これは復帰を目指しているからではないとも主張した。