フェルスタッペン「認められないなら本当のファンじゃない」F1における一強支配を巡り
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マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、特定のチームがF1を支配する状況を認められないファンは「本当のファン」ではないと考えている。
カルロス・サインツ(フェラーリ)がシンガポールGPを制するまで、レッドブルは2023年の開幕15戦全てで勝利を収め、フェルスタッペンは史上最多となる10連勝記録を記録していた。
F1はチームに独自開発を義務付けているスポーツだ。故に各チームの開発力、技術力の差がリザルトに大きな影響を与えるため、一強支配が生まれやすい素地がある。
技術競争はF1のDNAであり、そこに醍醐味と面白さがあるわけだが、同時に一つのチームが支配的な競争力を誇示すると、結果が予想できてしまうため退屈だとの批判が飛び交うのもまた常だ。
レッドブルが優勝争いから脱落した事で、マリーナベイ市街地コースでのレースは最終周にまでもつれ込む大接戦となり、ランド・ノリス(マクラーレン)とメルセデス勢を僅差で振り切ったサインツが今季初めてレッドブル以外のドライバーとして表彰台の頂点に立った。
英紙「The Times」によると日本GPに先立ちフェルスタッペンは、F1には四つ巴の争いが繰り広げられたシンガポールのようなレースがもっと必要なのではとの質問に対して「正直に言うと全く興味がない」と答えた。
「僕にとってあれは僕らが明確に敗れ去った週末だった。(あのレースを振り返って)F1にとって何が良いかなんて事を僕は考えたりはしていない」
「それまでの間にF1で起きていた事が必ずしも悪いことだとは思わない。単に僕らが他の誰よりも上手くやったというだけだからね。それを認められない人は本当のファンじゃない。でも、そういうものなんだ」
「(シンガポールで)ライバルは僕らより良い仕事をした。当然、彼らは勝利に値する。僕らが勝ち続けるのが退屈だと言うなら、彼らも勝つべきじゃない」
フェルスタッペンはシンガポールGPで今季ワーストの5位に留まり、ドライバーとして、そしてチームとしての歴史的連勝記録に終止符が打たれたが 「特に思うところはない。つまり僕らの連勝が止まったというだけで、そういう事もあるさ」と気にした素振りは一切ない。
「それまで10連勝していたから当然、勝ちたかったけど、勝てなかったり上手くいかなかったりする週末がいつか必ず訪れるって事も分かっていたからね」
「僕らとしては兎に角、前に進んでまた挑戦するだけだよ」
フェルスタッペンのドライバーズタイトル3連覇は少なくとも翌戦のカタールGPを待つ必要があるが、レッドブルのコンストラクターズ選手権2連覇は今週末の鈴鹿で達成される可能性がある。
フェルスタッペンはレッドブルが選手権を決めるのに、パワーユニットを供給するホンダの母国以上の場所はないと考えている。
「僕らはシーズン開幕当初からそれを目指していたし、そうなれば誰もが誇らしく思うだろうね」とフェルスタッペンは語る。
「もし僕らが鈴鹿で決める事ができれば、チームだけでなくホンダにとっても余計に特別な意味を持つことになる。そうなれば本当に素晴らしいことだ」