マックス・フェルスタッペン、母国オランダGPで”あわや”降格ペナルティの危機に晒される
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは9月5日(日)に決勝レースが予定されているF1第13戦オランダGPであわや降格ペナルティの危機に晒された。
ザントフォールト・サーキットでのイベント初日、午後のFP2でルイス・ハミルトン(メルセデス)がオイルシステムの異常作動を受けコース脇にクルマを停めた。レースコントロールは車両回収のために赤旗を提示した。
スチュワードはこの際にフェルスタッペンが「ターン10とターン11の間で18号車(ランス・ストロール)をオーバーテイク」した可能性があるとして、チーム代表者とフェルスタッペンに召集命令を出した。
これはFIA国際スポーティングコード違反となる恐れがあり、違反が認められた場合には過去の判例からグリッドペナルティが科せられる可能性が高いものだった。
例えば昨年のステシュタイヤーマルクGPでは、ランド・ノリスが黄旗下において追い越しを行い3グリッド降格ペナルティを受けている。
興味深いのは召集命令が出されたのがFP2当日の3日(金)ではなく、翌日の朝9時32分であった点だ。第3者による指摘があったものと思われる。
聴取は4日(土)のFP3開始15分前に行われた。スチュワードは「33号車のドライバーは赤旗が提示された時点ですぐに安全な方法でスピードを落とし、規則を遵守するためにあらゆる合理的な行動をとった」として、お咎めなしの裁定を下した。
レースマネジメントシステムによると、赤旗及びレッドライトは15時10分12秒に開始された。フェルスタッペンがライトパネル14(オーバーテイク地点の手前)を通過した際に当該ライトは点灯していなかったが、ストロールの後方数メートル以内に接近したところでステアリング上のライトが点灯した。
テレメトリーはフェルスタッペンが即座にアクセルを緩めてブレーキをかけた事を記録しているが、ライト点灯時のフェルスタッペンの速度は260km/h、対するストロールの速度は110km/hであり、150km/hもの速度差があったため勢いで追い越してしまった。