勝田貴元とダニエル・バリット

トヨタ、WRC昇格を見据えて 勝田貴元を若手ラリードライバー育成に選出

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TOYOTA GAZOO Racingは12月19日、世界に挑戦する若手ラリードライバーを支援するプログラム「TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジプログラム」の2019年の活動概要を発表。WRC参戦を見据えて次のステップへ移行するにあたり、勝田貴元(かつたたかもと)を育成ドライバーとして選出した事を明らかにした。

第2戦スウェーデンでWRC2クラス初優勝を挙げた勝田は来年、R5車両でのFIA世界ラリー選手権WRC2クラスへの参戦回数を増やして経験の蓄積を図るとともに、ヤリスWRCでのフィンランドラリー選手権参戦を予定。日本人WRCドライバーとしてデビューする事を目標にトレーニングを強化する。なお、2019年の勝田のコ・ドライバーは、16年の相方ダニエル・バリット(イギリス)が務める。

「2年間、コ・ドライバーとして共にハードな日々を過ごしてくれたマルコ(・サルミネン)に心から感謝しています。彼がいてくれたからこそ、ここまで来ることができました」と。苦楽を共にしたパートナーに感謝の意を表した。

「来季からは2016年にペアを組んだダニエル・バリットと再び組むことになりました。再び一緒にラリーに挑むことを決めてくれたダニエルに、2年前と比べ自分がどう成長したかを見てもらうのが楽しみです」

「プログラムも強化され、これまで以上に厳しい世界が待っていますが、限界までやりきる覚悟と共に、さらに大きく成長できるという自信を持って臨みます。来季は将来への準備という意味も含め、より一戦一戦着実に、次に繋がるラリーを心がけます」

本プログラムを監修するトミ・マキネンは、勝田貴元の今後の活動方針を次のように明かした。

「勝田はこの3年半で目覚ましい成長を遂げた。次のステップとして、来季はWRC2でこれまで以上に高いレベルで競争すると共に、ヤリスWRCでフィンランドラリー選手権に参戦しWRカーに慣れる機会も与える。来季の目標は、WRCイベントの長い週末の間、うまくバランスを取り、より一貫性を持って走ること、プレッシャーとうまく向き合うこと、そして自信をつけることで、プロのWRCドライバーレベルにステップアップすることだ」

「シーズンオフ明けのラリー・モンテカルロでは、まずは運転感覚を取り戻し、コ・ドライバーのバリットとのコンビネーションを再構築することが目標となる。初戦はプレッシャーなく参戦させ、WRC2選手権争いへの参加は、昨年勝田が素晴らしい成績を上げたスウェーデンからを予定している」

勝田貴元は、1993年3月17日生まれの愛知県出身。12歳でカートデビューし、18歳でFCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン)チャンピオン獲得。20歳でF3シリーズ2位、2014年からはF3に参戦するとともに、全日本ラリー選手権にも挑戦し第8戦でJNクラス初優勝。2017年のFIA世界ラリー選手権第7戦(イタリア)、WRC2クラス3位で初の表彰台に上り、2018年のFIA世界ラリー選手権第2戦(スウェーデン)でWRC2クラス初優勝を果たした。