マイクを持って発言するレッドブルのヘルムート・マルコとマックス・フェルスタッペン
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フェルスタッペン:F1でのキャリアを支え続ける54歳年上の恩師、ヘルムート・マルコを語る

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レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、F1デビューから数えて6シーズン目の2020年、遂に世界タイトルを争うチャンピオンシップに挑む事になる。世界一を懸けた戦いのチャンスを実現足らしめたのは、モータースポーツ・アドバイザーという肩書でミルトンキーンズの強豪チームを作り上げてきた立役者の一人、ヘルムート・マルコだった。

オーストリア出身の元レーシングドライバーは、当時若干15歳(日本で言えば中学3年生に相当)のフェルスタッペンをトロロッソでF1デビューさせるよう進言。2015年に、17歳165日という史上最年少出走記録と共にF1グランプリを走ったオランダ人ドライバーは、デビュー初年度にFIAルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得し、マルコの判断が正しかった事を早々に証明した。

54も歳が離れている二人は一体どのような関係なのだろうか? 新卒で入社した会社の初めての上司と部下の関係? フェルスタッペンは母国オランダのtelegraafとのインタビューの中で、マルコとの関係性を次のように説明した。

「ヘルムートは、2015年に僕にF1デビューのチャンスを与えてくれた人であり、2016年には僕をレッドブル・レーシングへと昇格させてくれた恩人だ。僕らの絆は、今や以前よりも更に密接になったと思う」

「彼とは本当に上手く関係を築けている。素晴らしい瞬間を共有してきたし、それと同時にクラッシュなどの悪い思い出も何度かあったわけだけど、いずれにしても僕らは一緒にたくさんの経験をしてきた間柄だ。彼は率直だし、本当に正直でオープンな人だよ」

「怒りっぽくて気難しいように見えるかもしれないけど、実はすごくフレンドリーな人なんだ。もちろん、難しいような状況だって時には起こるわけだけど、僕としてはヘルムートとすごく上手く付き合っていけると思ってる」

フェルスタッペンは、ホンダ製F1パワーユニットを初めて搭載して戦った2019年シーズンに3勝を挙げ、キャリアでは通算8勝を達成しているが、勝利の抱擁を真っ先に交わすのは常にマルコとであった。

「ヘルムートが来てるレースであれば、大抵まずは彼のところに行くんだ」とフェルスタッペン。「バルセロナで(F1初)優勝を果たした時は、彼の方から(パルクフェルメに停めた)クルマの方に来てくれたから、僕としては手を貸しただけで、彼の方から僕に飛び寄って首に抱きついてきたけどね」

「この前のブラジルでの優勝の時には、まずはフェンスの向こう側にいたヘルムートの所に行って、その後でちょっと離れた場所にいたチームのみんなの所に行ったんだ。ヘルムートに飛び寄って抱きついたら彼を倒しちゃうから、そんなことは出来ないよ!(笑)」