FIA、ハースF1代表シュタイナーを戒告処分…スチュワードを”素人”批判
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F1スペインGPのスチュワードは決勝当日を迎えた2023年6月4日(日)、FIAスチュワードを「素人」呼ばわりするなど不快感を与える発言を口にしたとして、ハースF1チームのギュンター・シュタイナー代表を戒告処分とする決定を下した。
シュタイナーは「どんなプロスポーツもプロが審判を務めているが、F1は世界最大のスポーツの1つなのに、キャリアに何百万ドルも投資した人々の運命を未だに素人が決めているようなものだ」と述べ、前戦モナコGPでニコ・ヒュルケンベルグにペナルティを科したスチュワードを非難し、競技審判団を常任制とするよう訴えた。
スチュワードは6月3日(土)の予選を前にシュタイナーを召喚。事情を聞いた上で、先の発言はFIA国際競技規則第12条2項1.kに違反すると判断した。このルールは「不快感、屈辱感、不適切なものをもたらすと合理的に予想される、またはそのように認識されるような言葉を使用すること」を禁じるものだ。
スチュワードは特に、「素人、門外漢(英:laymen)」という言葉や「他のスポーツには”プロ”のスタッフがいる」という表現に触れて「不快感を与える可能性がある」と指摘した上で「実際にそうであり、我々の見解では、モナコのスチュワードのみならず他のFIA関係者や多くのモータースポーツのボランティアに不快感を与えたと思われる」と続けた。
「素人」という表現についてシュタイナーは、時折働く人を指すことを意図したもので、資格や専門性がないことを指すことを意図したわけではないとし「もし誰かを侮辱したり、怒らせたりするつもりであれば、もっと違う言葉を使っただろう」と釈明した。
そして「もし誰かが私の発言に傷ついたり、誤解したりしたのであれば」という条件付きで謝罪し、スチュワードはこれを受け入れた。
裁定を受けてシュタイナーは声明の中で次のように述べた。
「先週末のモナコのスチュワードが下した決定に対して私は、失望と不服の意をスチュワードに伝えた。スチュワードは、人々が決定に異議を唱えることに問題はないが、私の発言の解釈について懸念している、と私に告げた」
「私はスチュワードに、誰かを怒らせるつもりはなかったこと、私の言葉の使い方が誤解を招いたり、一部の人に誤解されたりする可能性があったと釈明した」
「発言が誤解されたり、誰かを傷つけたりしたのであれば、それは私の意図するところではないため謝罪するとスチュワードに伝えた。ここに改めて謝罪したい」