第16戦トルコGP以降のセルジオ・ペレスのパフォーマンス向上についてレッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表は、ドライビングスタイルに適したセットアップを見つけた事が自信に繋がり、それが結果に表れているとの認識を示した。

第6戦アゼルバイジャンと第7戦フランスで2戦連続で表彰台に上がり、ようやく新しいチームとマシンに慣れてきたかと思われたペレスであったが、イギリス、ハンガリー、ベルギーでの無得点を含めて以降はトップ3から遠ざかり、コンストラクターズ選手権制覇に向けて課せられた役割を全うできない状況が続いていた。

だが、イスタンブール・パークでのレースで9戦ぶりにポディウムに返り咲くと、オースティンでは週末を通して首位を争う速さを見せ、予選ではチームメイトのマックス・フェルスタッペンから0.244秒遅れの3番グリッドを獲得。キャリア初ポールを感じさせた。

体調不良を抱え、ドリンクシステムの故障により1滴も水分が補給できない過酷な条件ながらも決勝では3位フィニッシュを果たし、2017年以来、4年ぶりの連続W表彰台をチームにもたらした。

英Autosportによるとクリスチャン・ホーナーは覚醒しつつあるペレスについて次のように述べ、ドライビングスタイルに合わせたセットアップを見いだした事によって自信を深めているからとの認識を示した。

「ここ数戦、自信がついてきたように思う。彼はモンツァでもソチでも強かったし、どちらのレースでも表彰台に上るべきパフォーマンスを見せた」

「そして今週末も終始、ペースを維持していた。とにかく自信の問題だと思う。この時期にあっては彼の力が必要だ。今日は彼にとって素晴らしい結果になった」

「何とか彼に合ったセットアップを見つける事ができたように思うし、これまでよりも少しばかり彼のスタイルに合わせてマシンを最適化することができていると思う」

「幾つか重要なレースが控えている中、我々には彼のパフォーマンスが必要だ」

作業を進める手がかりが不足していた事もあり、移籍直後のシーズン序盤のペレスはフェルスタッペンと同じセットアップを使ってきた。ある程度の走行マイレージを重ねて経験を積んだオーストリアGP以降はチームメイトと異なる方向性を探していたようだが、それが遂に実を結び始めたという事かもしれない。

オースティンの週末を終え、F1サーカスはペレスの母国メキシコに向かう。

2015年にエルマノス・ロドリゲス・サーキットがカレンダーに復帰して以降、ペレスはメキシコGPをトップ7圏外で終えた事はなく、ホンダパワーユニットを搭載するRB16Bの高い競争力もあり、母国レースを楽観視している。

「僕らには良いパッケージがあるし、あそこでも力強いパフォーマンスが発揮できると思う」とペレスは語る。

「レッドブルは毎年、メキシコで本当に強いから凄く楽しみだし、また表彰台に上がれる事を心から願っている」

アメリカでのW表彰台を経てレッドブル・ホンダは、コンストラクターズ選手権争いでトップを走るメルセデスとの差を23ポイントに縮めている。