ハミルトン最速連取…にも関わらずレッドブル・ホンダがF1サウジ初日に大きな手応えを得た様々な理由
リザルトとしてはメルセデスの後塵を拝する形となったが、レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表はF1サウジアラビアGPの初日の出来に大きな手応えを得ているようだ。
新設のジェッダ市街地コースで行われた金曜のフリー走行では、ルイス・ハミルトンがトップタイムを連取。予選及び決勝と同一コンディションが予想される日没後のFP2ではメルセデスが1-2体制を築いた。
8点差でドライバーズ選手権をリードするマックス・フェルスタッペンはFP1でハミルトンに0.056秒差の2番手につけたものの、FP2ではタイヤの熱入れに苦戦した事もあり4番手と、ギャップは0.195秒にまで広がった。
だがホーナーは2日目に向けて期待を抱いたようだ。ミルトンキーンズの指揮官はSky Sportsのインタビューに応じ、ジェッダ市街地コースは予想に反して「馬力が重視」されるコースではない事が分かり「それが励みになった」と語った。
「ギャップはコンマ1~2秒だ。この種のサーキットでは十分、挽回可能な差だ。我々にとってこれは本当に楽観的な材料だ」
「カタールGPで新しい検査が導入されてから、(メルセデスの直線区間での)スピードが収束してきた。今日も我々とかなり似通ったスピードだった。これには勇気付けられた」
W12のリアウィングのメインプレーンが違法と考えるレッドブルからの指摘を受け、国際自動車連盟(FIA)は前戦カタールGPで新たな負荷検査を実施した。テストの実施は週末に先立って全チームに通知されていた。ホーナーはメルセデスが疑惑のウイングの使用を取りやめたと考えている。
ホーナーが楽観視する材料は他にもある。フェルスタッペンだ。「ここはマックスの得意とする種類のサーキットだ」とホーナーは語る。
「高速コースだし、壁や縁石が備わっている。彼が誰よりも早くタイムを出していったのを見ただろう。セッションを終えて話をしたが、本当に楽しんでいる様子だった」
コンストラクターズ選手権のみならず、2台揃って予選上位につける事はレース戦略という点でドライバーズ選手権のためにも極めて重要だが、金曜のセルジオ・ペレスは奮わず、FP1ではフェルスタッペンから1.118秒遅れの11番手、FP2でも0.555秒遅れの9番手と中団に埋もれた。
だがホーナーは、キャリア10年の経験を誇るベテランに対しては何も心配していないと主張する。
「セルジオはスロースターターだが、勢いをつけて、どんどんタイムを縮めていっている」
「彼は年老いた賢い狐、したたか奴なんだ。彼はストリートサーキットで序盤に大きなリスクを犯すべきでない事を理解している」
「それにソチやアゼルバイジャン、モナコなどの他の市街地コースでは毎回、上手くやってきた。徐々にベースを築いているって事だ。間違いない」
ホーナーは2日目に向けての課題にC4コンパウンドを挙げた。RB16Bは最も硬いハードタイヤで印象的なパフォーマンスを見せたものの、逆にソフトに関してはウォームアップに問題を抱えていた。
「ハードタイヤでは非常に力強いペースを発揮できたが、コンパウンドが柔らかいほど、タイヤのスイッチを入れて最大限のパフォーマンスを引き出す事が難しかった。今夜はアウトラップを含め、タイヤの準備方法などなど、色々と分析してみるつもりだ」
「ただ周りのコメントを聞いていると、ソフトに苦労してクルマをスイートスポットに入れるのに手を焼いていたのは我々だけではなかったようだ。一旦、鍵を解くことができれば、パフォーマンスを大きく引き上げる事ができるはずだ」