セルジオ・ペレス「誰とでもできるわけじゃない」自らを負かしたアロンソの戦い方と”ふところ”を賞賛
F1サンパウロGPでの激しい表彰台争いの末、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)に僅か0.053秒差で敗れたにも関わらず、セルジオ・ペレス(レッドブル)は2度のF1王者の戦い方、”ふところ”の深さに賛辞を贈った。
ブラジルでのレースの最終スティントで2人は、表彰台の最後の一枠を巡って22周に渡る激闘を演じた。ペレスは残り2周目のターン1で3番手を奪取。だがアロンソはファイナルラップ序盤のペレスのミスを見逃さず、ターン4で見事な追い抜きを決め、0.053秒差で3位チェッカーを受けた。
バトルにおける駆け引きや、これに伴うクルマの動きは予測不可能な部分が多く、特に高速で繰り広げられるF1のそれは、かなりリスクが高い。
ドライバーは一瞬の判断で追い越しを決めたり、守りに入ったりしなければならない。相手の動きを読む能力やクルマをコントロールする確かなテクニックはもちろん、ライバルに対する絶対的な信頼とリスペクトなしに、見る者を魅了するバトルは起こり得ない。
ペレスは、今回のような厳しくもフェアなバトルができる相手は、グリッドの中に殆どいないと考えている。
アロンソとの接戦を振り返ったペレスは「フェルナンドとのバトルは最高だった。あの手の動きが許されるドライバーは多くない。僕はそう思う」と語った。
「最初から最後まで本当に接戦だった。正直言って、超楽しかった。最終的に表彰台に上がったのは彼だけど、レースはこういうものさ」
6戦ぶりの表彰台を逃したペレスは敗因について「メルセデスを攻略するのに時間がかかったこと」と「(予選Q3で)黄旗が出てしまったこと」の2つを挙げた。
ペレスは初日に行われた予選Q3で不運にも、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)のコースアウトに伴う黄旗に遭遇。スタートポジションの妥協を強いられ、9番グリッドからこの日のレースに臨んだ。
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、今季開幕4戦で2勝を挙げたかつての”チェコ”が戻ってきたと感じている。
「本当に素晴らしい走りだった。チェコの調子が戻ってきたようだ。これこそ、シーズン後半に向けて我々が望んでいたものだった」とホーナーは語る。
「アロンソを相手に善戦したが、残念ながら惜しくも破れてしまった。だが最高のレースだった」
11月5日(日)にインテルラゴス・サーキットで行われた2023年F1第21戦サンパウロGP決勝レースでは、6台が姿を消す波乱をものともせずマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季17勝目を飾った。
ラスベガス市街地コースを舞台とする次戦ラスベガスGPは現地11月17日(木)のフリー走行1で幕を開ける。