「クビサはハミルトンに匹敵する最速ドライバー」とロズベルグ、引退と復帰の可能性・今季フェラーリを語る
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ルイス・ハミルトンの4度目タイトルが確実視される中、昨シーズンの王者ニコ・ロズベルグが今季の選手権争いに対する印象と自身の引退、そしてF1復帰が噂されるロバート・クビサについて語った。ロズベルグは昨年チームメイトのハミルトンを撃破、2016年のF1ワールドチャンピオンを獲得した直後に電撃引退を発表した。
テレビ観戦していてもアドレナリンが止まらない
昨年は精神がすり減った極限の状態で一年を過ごしたロズベルグだが、今年は打って変わり自宅モナコのソファーに寝そべりながら、一家団欒でテレビを囲みF1を観戦している。だが、長年レース活動が染み付いた本人の体は、引退した事実をまだ理解できていないようだ。
F1公式サイトのインタビューに応じたロズベルグは、既に引退し自身がグリッドに並んでいるわけでもないのに、体は未だレースをしているようだと語る。テレビ観戦にも関わらず、アドレナリンが湧き上がってきて心臓が高鳴り汗をかく程だという。
「今シーズンの最初の5レース位は、これからスタートだって時になると去年みたいにアドレナリンが吹き出してきたんだ。鼓動は上がるし汗はかくし…体は僕がもうグリッドにいないって事に気づいてなかったみたいだよ」
「タイトルをかけてレースをするってのは信じられないくらい厳しいものだし、去年は人生のすべて捧げてたからね。でも今はすごいリラックスしてるよ」
© Mercedez AMG / 険しい表情を見せる昨年のロスベルグ
後悔はないし復帰計画もない、でも…
ロズベルグは「僕のレース人生は幸せなままにその章を閉じたんだ」と語り、引退について一切後悔していないと主張する。絶頂期での引退だけに復帰を予想する声もあるが、本人にはそのつもりはないようだ。だが、一旦F1での勝利という美酒を知ってしまうと、その代わりになるような刺激的なものを見つけるのは難しいという。
「引退後の人生もエキサイティングだよ。幾つか新しい事にもチャレンジもしてるしね。二人目の子供も生まれたし、すべてがいい感じさ」
「成功はスリルに溢れたものだしアドレナリンを掻き立てるものなんだ。最高のバトルをしてF1で勝利を収めるのと同じ位に感情的でパワフルなものを見つけるのは簡単じゃないよ」
9月に生まれた第二子に”ネイラ”という名前を与えたロズベルグは、妻ヴィヴィアン・シボルトと長女アライアちゃんと幸せな家庭生活を送っている。引退後のロスベルグはテレビ解説者やアンバサダーとして活動するに留まりレース競技は行っていない。世界の頂点を目指し人生の大半をF1に捧げてきた32歳のドイツ人は、これまで体験できなかった”普通の暮らし”を楽しんでいる。
フェラーリはメルセデスとほぼ同レベル
2014年のハイブリッドターボ導入以来、F1はメルセデスAMGの独裁的支配が続いていた。勝者は同チームのドライバーに限定され、F1選手権というよりも”メルセデス選手権”の様相を呈していた。だが、レギュレーションが大幅に変更された今年は、シーズン前半を終えてフェラーリ3勝に対してメルセデス4勝と実力は拮抗、数年ぶりにチーム間での激しいバトルシーンが見られた。
2010年からの7年間をメルセデスで過ごしたロズベルグは、フェラーリとメルセデスのパフォーマンスは拮抗しておりほぼ同レベルにあると考えている。
「フェラーリとメルセデスが真っ向勝負するなんて、今年はF1にとって素晴らしいシーズンになってるよね。フェラーリには驚いたよ。驚異的に速さを増したからね。彼らの競争力はメルセデスとほぼ同レベルだと思う」
ハミルトンとクビサは最速のドライバー
ロズベルグは、マネジメントチームの一員としてロバート・クビサのF1復帰を支援している。2011年のラリー競技中の事故によって障害を負ったクビサは右手の自由が利かず、コックピットの狭いフォーミュラカーでのレース活動を断念していたが、今や来季ウィリアムズF1のドライバー候補筆頭と見られている。二人はカート時代から良きライバル関係にあった。
Excited to be working with Robert and his return to F1. He and Lewis were the fastest I raced against 👊🏼 pic.twitter.com/94MiwyZJC7
— Nico Rosberg (@NicoRosberg) September 15, 2017
よく知られている通り、ハミルトンもまたロズベルグの幼少期からの友人である。キャリアの大半をこの二人のドライバーと戦い続けてきたロズベルグは、クビサはハミルトンに匹敵する速さを持つドライバーだと主張する。
「ルイスとロバートはこれまでに対決した中で最速のドライバーだった。ロバートが僕にF1復帰の支援を求めてきた時、何も迷うことはなかったよ。だって彼がどの位速いかを知ってるし、他の誰よりも適任だからね」