ダニエル・リカルドがアルファタウリでの復帰戦を13位で終えたF1ハンガリーGPを経てレッドブルのヘルムート・マルコは、シーズン途中でのニック・デ・フリースとの交代は正しい決断だったとの考えを示し、クリスチャン・ホーナー代表はリカルドが今後、アルファタウリに「本当に大きな恩恵」をもたらすだろうと指摘した。

半年ぶりにF1マシンのステアリングを握った34歳のオーストラリア人ドライバーは予選、決勝ともに伊ファエンツァのチームでの3年目を迎えた角田裕毅を上回るパフォーマンスを発揮した。

決勝では1周目のターン1を前に周冠宇（アルファロメオ）に追突される不運があり最後尾にまで転落したものの、戦略判断が功を奏した事もあってスタートポジションの13位にまで巻き返した。

リカルドについてマルコは独「Sky Sports」とのインタビューの中で「とても自信に満ちた成熟したパフォーマンスだった」と高く評価した。

ただ、走りもさることながら、上向くチームのモチベーションや雰囲気、マシン開発の礎となるフィードバックの強化など、復調を目指すアルファタウリにとってはリカルドの加入によりもたらされたコース外での変化も重要だ。

マルコは「スタート後の接触によりポジションを3つか4つ失った。13位は良い結果だ。だがそれと同じ様に、彼がチームにもたらした前向きな勢いと、技術面での意見やクルマの変更といった面での安定化も素晴らしい。ドライバーの変更は完璧に上手くいった」と語った。

ホーナーもまた、英「Sky Sports」とのインタビューの中で「今日の彼のパフォーマンスは本当に手堅く、成熟したものだった。チームは彼の経験と知識から本当に大きな恩恵を受けるだろう」と指摘した。

レース前のスターティンググリッドには、クルマに乗り込んだリカルドの元を訪れ握手で激励するホーナーの姿があった。

ホーナーは「彼が楽しんでいる事が何より重要だ。なぜなら、ダニエルがドライブを楽しんでいれば、チームは彼からより多くのものを得る事になるからね」と付け加えた。

デ・フリースの後任選びに際しては日本のスーパーフォーミュラで活躍するジュニアドライバー、リアム・ローソンの可能性も指摘されていたが、選ばれたのはリカルドだった。

理由は幾つかあるがマルコはその中の一つとして、経験豊富なリカルドを比較対象として角田裕毅を評価する意図があるとしている。

お気に入りの角田裕毅についてマルコはハンガリーGPの週末に先立ち、墺紙「Kleine Zeitung」とのインタビューの中で、今季末限りとなっている契約の更新に向けて前向きな姿勢を示し、既にホンダ側と話し合いを行っている事を明かした。ハンガリーGPでの角田裕毅はマルコの目にどのように映ったのだろうか。

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