アウディ、F1本拠「F7.2」着工…2026年参戦に向けてインフラと人員を増強
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2026年よりFIA-F1世界選手権に参戦するアウディは12月2日(金)、F1パワーユニット・ファクトリーの拡張工事に着手した事を明らかにした。2024年の第1四半期に完成予定で、建物の一部は来年3月に稼働する予定だ。
参戦に際してアウディはザウバーとファクトリー契約を結んだ。アウディはドイツ本国でF1パワーユニットを、ザウバーはスイス・ヒンウィルでシャシーの設計開発を担当する。
エネルギー回生システムやICE(内燃エンジン)、トランスミッションを含む全ては独ノイブルグのコンペテンス・センター・モータースポーツ(CCM)で開発・製造される。
アウディのモータースポーツ総本山とも呼ぶべきCCMは2014年夏のオープンと新しく、ファクトリーレーシングの運営はもちろん、カスタマーレーシングを含めた全てを統括する。
「F7.2」と呼ばれる新設の建物は総面積3,000平方メートルを誇り、パワーユニットとエンジンのテストベンチに加えて技術室、機械作業場、作業場を備える。約60人の従業員がここで作業に取り組む。
CCMは二酸化炭素ニュートラルに設計されており、工場廃熱による地域暖房に加えて水力発電所からのグリーンエネルギーを電力として使用している。
CCMについてアウディAG技術開発担当取締役を務めるオリバー ホフマンは「当初から最も要求の厳しいモータースポーツ・プロジェクトに取り組めるよう設計されていた。この先見の明が実を結んだ」と説明する。
「既存の設備を使って我々はすぐにF1プロジェクトに着手することができた。今回の拡張工事はF1パワーユニットの長期開発に必要なインフラを整えるものだ」
「建物の拡張と最新鋭のテストベンチの設置により我々は、開発チームにモータースポーツのトップクラスで成功するための最高の環境を与える事になる」
投資対象はインフラに留まらない。既に約220人の従業員がノイブルグのF1プロジェクトに従事しているが、アウディは今も採用活動を進めており、2023年半ばまでに300人以上に増強させる計画だ。
アウディ・フォーミュラ・レーシングのアダム・ベイカーCEOは「我々は既に素晴らしいチームを有しており、常に成長を続けている」と述べ、F1プロジェクトが順調に推移している事を強調した。