ランド・ノリス、”フェルスタッペン中心のF1マシン設計論”を一蹴

予選後のFIA会見に出席するポールポジションのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)と3位のランド・ノリス(マクラーレン)、2023年6月3日(土) F1スペインGP(カタロニア・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

レッドブルがマックス・フェルスタッペンのドライビングスタイルに合わせてF1マシンを設計・開発しているとの主張についてランド・ノリス(マクラーレン)は、チーム運営のあり方を理由に起こり得ないと断じた。

2023年シーズンのフェルスタッペンはこれまでの16戦で、史上最多となる10連勝を含む13勝をマーク。個人の獲得ポイントだけでコンストラクターズ選手権2位につけるメルセデスを上回っており、早ければ今週末のカタールGPのスプリントで3度目の王座を獲得する。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

バクー市街地コースのパドックを歩くレッドブルのマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレス、2023年4月30日F1アゼルバイジャンGPにて

同じRB19をドライブするセルジオ・ペレスがフェルスタッペンの足元にも及ばず「撃破」されている状況についてメルセデスのトト・ウォルフ代表は、レッドブルがフェルスタッペンを中心に据えたクルマ作りを行っているためだと示唆した。

この発言を受けレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は全面的に否定し、フェルスタッペンも「戯言」だと退け、ペレスでさえもその可能性を除外した。

ノリスもまた蘭「RacingNews365」とのインタビューの中で「チームが一人のドライバーのためだけにクルマをデザインするなんてあり得ない。それは理想的な世界かもしれないけどね」と述べ、ウォルフに反論した。

「この前、トトがレッドブルについて話をした後、マックスも似たようなことを言っていたけど、誰かのためにクルマをデザインすることはできないと思う。チームはそういう風に運営されていない」

たとえ自分のスタイルに合っていなくとも、そのクルマから最大限のパフォーマンスを引き出して結果を残す事がレーシングドライバーのあるべき姿だとノリスは考えている。

「どんなクルマであろうと、結果を出すのが僕らドライバーの仕事だ」とノリスは語る。

「結局のところ、与えられたクルマをドライブするのはドライバーの責任であって、どんな理由であれチームメイトより遅いのであれば、それは十分な仕事ができていないって事だと思う」

「単純なことさ。これがドライバーの仕事なんだ」

「傍から見ていると理解できない部分があるとは思うけど、ドライバーの仕事は与えられたクルマを可能な限り速く走らせることなんだ」

「もちろん、クルマは自分に合ったものであって欲しいけど、ドライバーはどんな状況であってもそれに適応して最善を尽くさなきゃ。それだけの給料を貰っているんだからね」

「好みのクルマであろうが、トリッキーなクルマであろうが何であろうが、安全性は確保されているわけで、チームから与えられたものをドライブするのが僕らの仕事だ」

「結局のところ、速いうえにドライブするのも最高というクルマが存在するのは確かだけど、僕はドライブしやすい遅いクルマより、走らせるのが難しいけど速いクルマの方を選ぶよ」

「チームは速いクルマを作る事に重点を置いているけど、もしそのクルマがドライブしにくいのであれば、走らせやすいように改善していく事はできる」

「もちろん、自分がどんなクルマをドライブするのかは気になる。だってドライブする上で楽しいクルマの方が良いからね。でも僕は間違いなく、走らせるのが楽なクルマより速いクルマを選ぶ。それが僕らの仕事だと思うから」

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