ずば抜けたドライビング能力だけじゃない!ニューウェイが語るフェルスタッペンの凄さ
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レッドブル・ホンダの最高技術責任者を務めるエイドリアン・ニューウェイは、悲願のF1ワールドタイトル獲得に向けてルイス・ハミルトンと張り合うマックス・フェルスタッペンの凄さはドライビング能力のみに非ずと主張する。
ナイジェル・マンセルやミカ・ハッキネン、セバスチャン・ベッテルといったF1ワールドチャンピオンを含む数多くのトップドライバー達と仕事をしてきた62歳のイギリス人F1デザイナーはポッドキャスト「Talking Bull」の中で、過去に協業してきたドライバーとフェルスタッペンを比較して次のように述べた。
「マックスはワールドチャンピオンに必要とされる鉄のような気概を持ち合わせており、そのドライビング能力は本当に素晴らしい」
「リアエンドが少し動くような “ニュートラル “なクルマをドライブする能力はズバ抜けている。今や成熟して偉大なレーサーへと成長を遂げており、今年は一度もミスを犯していない」
「ハンガリーを含めれば今年の彼は3度のDNFを経験しているものの、いずれも彼に責任はなく、事故に巻き込まれても冷静さを失わずに毎度立ち直ってみせた」
”立ち直り”という点で言えば、シルバーストンでの失意のクラッシュを経て姿を見せたハンガリーGPの木曜プレスカンファレンスでのフェルスタッペンは印象的だった。
ハミルトンに責任があると見なされた事故により、苦労して積み重ねてきた選手権の大量リードがほぼリセットされたにも関わらず、寄せられる多くの質問に冷静かつ明快に答えてみせた。
23歳のオランダ人ドライバーは6シーズンのフル経験を経て、生まれながらの驚異的なスピードに加えて卓越したレースクラフトを身につけてきたが、ニューウェイ曰く、フェルスタッペンの凄みはこれに留まらない。
これまで言及された事は殆どなかったように思うが、ニューウェイはマシン開発におけるフェルスタッペンの貢献を指摘した。
「生来のスピードを持ち合わせている事は疑いもないが、彼はフィードバック能力も非常に優れている」
「ドライバーの中には延々と話を続ける者もいる。最初のターン1への進入から始まり最終ターンまで…といった具合にダラダラ話をされると私は集中力が切れて眠ってしまのだが、マックスの場合はより速さが必要な箇所のみに集中して話をしてくれる。非常に優れたバランス感覚だ」
マシン開発におけるドライバーからのフィードバックの重要性についてニューウェイは次のように説明した。
「影響力は非常に大きい。クルマに搭載された何百ものセンサーはクルマの状態を説明してくれるが、何故そうなっているのか?という事を説明するという点ではドライバーの方が遥かに優れている」
「だからこそ、ドライバーのコメントとセンサーによるデータを結び付けて捉える必要があるのだ」
「それに彼は本当に話しやすいし、F1だけでなく様々な事に興味を持っている。それはF1ドライバーにとって非常に重要な資質だと私は思う」
「もしF1一辺倒だと、プレッシャーに晒された際に頭の中がそれで一杯になってしまうからね。そういう意味でも、マックスは本当に良いバランス感覚を備えていると思う」