マックス・フェルスタッペンとフェルナンド・アロンソによる第80回モナコGPウィナーを懸けた争いは「最初の500m」で決するとレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は考えている。

2009年のF1王者ジェンソン・バトンが「僕がこれまでに見てきた中で一番の予選だ」と絶賛した両者によるグリッド争いは、壁の存在をモノともしない鬼神の如き走りを見せたフェルスタッペンに軍配が上がった。

レッドブルの指揮官は「これは彼にとって予選でのベストラップの1つだと思う。プールサイド・シケインに到達した段階でフェルナンドに対して0.2秒遅れていたものの、両側の壁にぶつかりながらも最終セクターを通して勢いとスピードをキープして徐々にタイムを縮めていき、最終的にやり遂げてみせた」と振り返った。

対照的に僚友セルジオ・ペレスは派手なクラッシュを喫して最下位に終わった。ホーナーはサン・デボーテ（ターン1）へのアプローチの際にピットレーンから出てきたエステバン・オコン（アルピーヌ）に「気を取られた」事がミスに繋がったと指摘する。

「個人的には複雑な気分だ。おそらくキャリアの中で最高の予選ラップを走ったマックスを思うと嬉しく、残念ながらQ1のあまりにも早いタイミングでミスしたチェコを思うと残念だ」

「右手にいたアルピーヌに気を取られて、最初のターンでの判断を誤ってしまったとしか思えない。あの後、路面はどんどん進化していったから、彼は自分を責めることになるだろう」

「ただただオーバースピードで、コーナーのエントリーで少しスナップがあった。接触は小さなものではなかった」

「シャシーの変更が必要になるかもしれない」

「数年前、マックスはあのポジションからスタートしてトップ10入りを果たした。チェコにとって明日のレースの目標はポイント獲得になるだろう」

週末に先立ち、RB19の強みである高速コーナーとロングストレートがないモナコはレッドブルにとって「今年最も厳しいチャレンジ」になると予想していたホーナーは、この日のポールはクルマの性能ではなく、フェルスタッペンの完全な個人技によるものだと強調した。

「我々はここで如何に予選が重要であるかを知っている。誰もが闘志むき出しだった。ここは我々のクルマの強みを活かせないコースだ。マックスが絶好調でなければ今日の結果はあり得なかった」

「良いスタートが切れれば我々はレースで力強いと思うが、1ラップに関しては、この手の低速サーキットではクルマの長所を活かすチャンスがない。今日の結果はマックスの功績によるものだった」

フェルスタッペンとアロンソは年こそ16も離れているが、このスポーツに対する情熱や闘争心、卓越したドライビング・テクニックだけでなく、通算タイトル数（2回）、ファステストラップ（23回）、ハットトリック（5回）も同一で、野心的で時折物議を醸す率直な物言いという面でもある種の共通点がある。

大きなアクシデントがない限り、決勝はそんなフェルスタッペンとアロンソによる刺激的な一騎打ちが予想される。両者が考える勘所も当然、同じだろう。ホーナーはブラックアウト直後の数秒の間に勝敗が決まるとみている。

「フェルナンドとマックスの間には大きな尊敬の念があり、2人はキャラクター的にかなり似ている。彼らは共にハードなレーサーであり同類で、お互いに今回のレースで勝利を狙っている」

「フェルナンドはチャンスがあると感じているだろう。彼は明日のスタートがどれほど重要かを知っているはずだ。最初の500メートルがこのグランプリを決めることになる」

決勝レースは日本時間5月28日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周3,340mのモンテカルロ市街地コースを78周する事でチャンピオンシップを争う。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

DAZNは期間限定で年間プラン（月々払い）の最初の4ヶ月が月額990円になるキャンペーンを実施。以下のリンク先から登録すると特別料金が適用される。現在契約中のユーザーは対象外。F1は視聴プラン「スタンダード」で配信されている。

F1モナコGP特集