トロロッソ、マシンの競争力に自信「クリーンなラップを走れればトップ10入りは現実的」
スクーデリア・トロロッソのチーフ・レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズは、24日のF1モナコGP初日フリー走行を終えて、STR13はショートランでもロングランでも競争力を示していたと述べ、残りの週末に向けて自信を深めている事を伺わせた。
路面温度が上がった午後のセッションでは、開始早々に2台のマシンが共に13秒台に入れ込み、セットアップの微調整の成果がすぐさま形となって表れた。セッション中盤までにブレンドン・ハートレーは13秒222、ピエール・ガスリーは13秒410を刻み、揃って上位10台に名を連ねた。
排水口が緩んだ事に起因する赤旗中断の後、タイムアタックのために再びコース上に繰り出したトロロッソ・ホンダであったが、トラフィックに阻まれタイム更新は叶わず、改善した路面状況を追い風にラップを刻んだライバル達に先行を許した。結果、ハートレーは11番手、ガスリーは14番手でセッションを終えた。
エドルズはトラフィックの影響に言及した上で「リザルトはマシン本来のパフォーマンスを反映したものは言えない」との認識を示し、クリーンなラップを走れさえすればトップ10入は現実的であると主張した。
クリーンなラップを走れればトップ10入りは現実的
ジョナサン・エドルズチーフ・レースエンジニア
チームとして今日1日の結果に満足しているよ。レイアウトが非常に独特だから、モナコでは他のサーキットと比べてマシンに求められるものがかなり異なるんだ。だから、セットアップに関しても今季これまでに走ったトラックのものとは全く違うものを持ち込むんだ。
どのサーキットにおいてもドライバーが重要な要素であることは言うまでもないけど、特にここに限って言えば、安定性の高いマシンをドライバーに与える事によって得られるものは信じられない位に大きい。スタビリティの高いマシンは、ドライバーに自信を与える事になるからね。
二人ともこれまでにF1マシンでモナコを走った事はなかったから、今日は二人のドライバーに出来る限り多くのラップを走らせることを目標にしていたんだ。おおよそ達成できたと思う。FP1ではマシン2台ともが全てのプログラムを消化し、非常に良いセッションになったよ。
その一方で、ここは路面状況の改善の度合いが非常に大きいためにテストを定量化するのが難しく、結果としてあまり多くのメカニカルセットアップを試すことはできなかった。そうは言っても、新しいエアロパーツを持ち込んで2台の内の1台のみにこれを取り付けた。セッションを通してデータを分析しながら新しいパーツの理解に努めた。
FP2では、マシンの全体的なバランスを改善させるため、幾つかセットアップの変更を行った。ドライバーは二人ともマシンにとても満足していたから、本当に些細な微調整に留めたよ。我々はここでかなり競争力があるように見えるね。
搭載燃料を少なくしての最初のランは悪くなかったし、満足のいくものだったけど、トラック上の問題によって赤旗でセッションが中断した後は、皆が同じタイミングでコースに出ようとしたためトラフィックが酷く、上手くギャップを見つけることが難しくて苦しい時間帯になってしまった。
我々はグリーンフラッグ後に最初にコースに出ていったから、アウトラップはクリーンに走れたけど、肝心のクイックラップの際に後から出てきたマシンに捕まってしまった。2回目のアタックでまともに走れなかった事を考えれば、リザルトはマシン本来のパフォーマンスを反映したものは言えない。ショートランでも燃料を積んだロングランでもマシンには競争力がありそうだから励みになるよ。
燃料を多く搭載して走っていた際に、ピエールのマシンにブレーキトラブルと思われる問題が発生してしまった。これについては原因を調査し再発しないようにしなければならないけど、解決できると確信している。とは言え、全体として非常にポジティブな1日になったし、土曜のフリー走行と予選に向けて自信を持てたと思う。
大方の予想通り初日セッションはアストンマーチン・レッドブル勢が一歩抜きん出た速さを見せつけ、FP1・FP2共にダニエル・リカルドがトップタイムを記録し、二番手にマックス・フェルスタッペンが続く結果となった。
初めて実戦投入された桃色ハイパーソフトタイヤは圧倒的なグリップを発揮、去年と比べ一周あたり一秒近い速さを示し、2017年のポールタイムはFP1早々に破られた。再舗装され滑らかとなった路面もタイム向上に寄与した。
F1モナコGP三回目のフリー走行FP3は、日本時間5月26日(土) 19時からモンテカルロ市街地コースで開催される。現地土曜は好天が予想されており、気温も上がる見込みとなっている。