
F1マイアミGP、2ゾーン大幅拡張へ。適用濃厚な「雨天時制限」と「追い抜きモード条件」も明らかに
2026年F1第4戦マイアミGPの舞台、マイアミ・インターナショナル・オートドロームに設定されるストレートモード(SM)区間と、オーバーテイクモードの検知/作動地点および検出ギャップが公表された。
昨年まで設定されていたDRSゾーンは計3カ所だった。SMモードへと姿を変えた今季も3カ所で、数自体は変更されていないが、うち2つのゾーンは明確に拡張された。SMモードの稼働終了地点が同一と仮定した場合、この2区間で計510mも増加する形となった。
計510m、拡張された2つのゾーン
SMゾーンは旧DRSゾーンと同様、メインストレート上と、ターン8から始まる全開区間、そして高架下を駆け抜けた先に待ち構えるバックストレートの3カ所に設けられる。延長されたのは、後者2つのゾーンだ。
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マイアミ・インターナショナル・オートドローム(F1マイアミGP)のコースレイアウト図と、ストレートモード区間及びオーバーテイクモード検出・稼働地点
SMゾーン2の開始地点は、「ターン9の30m奥」とされた旧ゾーンに対し、「ターン8の165m奥」へと変更された。ゾーン3の開始地点も同様に前倒しされており、旧ゾーンの「ターン16の525m奥」に対し、「ターン16の150m奥」に設定された。
開幕3戦で繰り返し問題となってきた過剰なエネルギーマネジメント戦略を踏まえると、低ドラッグ状態での走行距離の増加を意味するSMゾーンの拡張は、こうした課題に対する対応の延長線上にある判断と推測される。
オーバーテイクモードは「1秒以内」で有効化
電動パワーを利用した追い抜き支援システムであるオーバーテイクモードについては、バックストレート終端に位置するターン17の20m奥に検知地点が設けられ、ターン18の10m先にアクティベーション・ラインが設置される。
開幕3戦と同様に、オーバーテイクモードの「検出ギャップ」は1秒に設定された。検知地点で前走車両の1秒以内に接近していた場合、続くアクティベーション・ラインよりオーバーテイクモードのシステムが有効化される。
有効化されたラップでは、1周あたりの回生エネルギー上限が引き上げられ、マイアミでは0.5メガジュールの追加回生が認められる。また、この状態でステアリング上の「ブースト」ボタンを操作すると、追加の電動出力を得ることができる。
迫る雷雨、低グリップ下ではゾーン削減
降雨などによる低グリップ時や視界不良時には、SMの使用条件が制限される場合がある。その際は、ウイングの作動はフロントのみに限定され、使用可能区間も絞られる。
この「低グリップ・アクティベーション・ゾーン」については、ターン8から始まるゾーン2全体が削除され、さらに残り2つのゾーンも長さが短縮されている。
| 区間名 | ゾーン開始地点 | |
|---|---|---|
| SM(通常グリップ) | SM(低グリップ) | |
| ゾーン1 | ターン19の出口 | ターン19の70m奥 |
| ゾーン2 | ターン8の165m奥 | – |
| ゾーン3 | ターン16の90m奥 | ターン16の150m奥 |
決勝日となる日曜日のマイアミでは、最大85%という高い確率で雷雨が予報されており、この規定が適用される可能性が高まっている。
仮に決勝が雨に見舞われた場合、多くのドライバーは2026年型マシンでのウエット走行経験がないままに、低グリップ・アクティベーション・ゾーンでフロントウイングを操作することになる。
90分延長も、課題山積の各チーム
スプリントフォーマットが採用される今週末のマイアミGPは、通常の週末とは異なりフリー走行がわずか1回に制限される。
5週間近くにわたる中断期間と、エネルギーマネジメント問題の是正やスタート時の安全機構新設などを含む規則修正に伴い、今回は特例として30分延長の90分間で行われる。だが、それでも準備時間が限られる状況に変わりはない。
改定規則の検証、この新たな条件下でのPUセッティングの最適化、大掛かりなアップグレードの評価・セットアップ、さらに日曜のみウエットが想定される状況…各チームは限られた時間の中で、多種多用な項目が並ぶタスクリストの完了を目指すことになる。