メルセデス、F1セーフティカーとメディカルカーを刷新! 2022年仕様はライト組み込みでSCらしからぬ精悍な外観

2022年のFIA-F1世界選手権にセーフティーカーとして供給されるメルセデスAMG GTブラックシリーズとメディカルカーとして供給されるAMG GT 63 S 4マチック+ (3)Courtesy Of Mercedes-Benz AG

3月20日の開幕バーレーンGPに向けてメルセデスAMGは3月8日(火)、2022年シーズンのFIA-F1世界選手権に供給する新しいセーフティカー(SC)とメディカルカー(MC)をお披露目した。メルセデスは1996年以来、つまり四半世紀以上に渡ってSC及びMCをF1に供給してきた。

2019年以降のF1では「AMG-GT R」がSCとして使われてきたが、今季は「AMG GT Black Series」に変更される。またMCは「C 63 S Estate」から「GT 63 S 4Matic+」へと7年ぶりに変更された。

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2022年のFIA-F1世界選手権にセーフティーカーとして供給されるメルセデスAMG GTブラックシリーズとメディカルカーとして供給されるAMG GT 63 S 4マチック+ (2)

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2022年のFIA-F1世界選手権にセーフティーカーとして供給されるメルセデスAMG GTブラックシリーズとメディカルカーとして供給されるAMG GT 63 S 4マチック+ (1)

メルセデスが「史上最強」と謳う13代目となるSCは、メカニカル面ではベース車両と殆ど違いがなく昨年同様にオールレッドに包まれているものの、何やら見る者にSCらしからぬ精悍な印象を与える。

それはセーフティカーシグナルが従来のようにルーフ上に設置されるのではなく、空力バランスを考慮してウィンドスクリーンとリアスポイラーに組み込まれたためだ。このアプローチが採られたのは今回が初となる。

ライトにはオレンジ色とグリーン色のLEDが使われているが、例えば投光照明の下でのナイトレースや、強い日差しが降り注ぐ日中のレースなど、状況に応じて光の強さを調節できるようになっている。

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2022年のFIA-F1世界選手権にセーフティーカーとして供給されるメルセデスAMG GTブラックシリーズ (4)

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2022年のFIA-F1世界選手権にセーフティーカーとして供給されるメルセデスAMG GTブラックシリーズ (2)

2ドアAMG GTシリーズのトップモデルたる「AMG GTブラックシリーズ」には、AMG史上最強の4リッターV8ツインターボエンジンが搭載される。ドライサンプ潤滑システムを備えたこのモンスターは最大出力730馬力(537kW)を誇り、0-100km/h加速は3.2秒、最高速度は325km/hに到達する。

助手席前のセンターコンソールと計器盤には2台のタブレット端末が設置される。これらには国際放送の映像や、コースを周回する各マシンの現在位置やラップタイムが表示される。

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2022年のFIA-F1世界選手権にセーフティーカーとして供給されるメルセデスAMG GTブラックシリーズ (1)

また、F1マシンに搭載されているものと同じトランスポンダーシステムや高性能GPS、テレメトリーシステムなどの他、3色のLEDで各セクションのフラッグシグナルを表示する「マーシャリングシステム」や、コース上で限界Gフォースの閾値を超える事故が発生すると点滅する「メディカル・ワーニング・ライト」が装備される。

2000年からF1セーフティーカーのドライバーを務めてきたベルント・マイレンダーは”新たな仕事場”について「すでに何度もこの素晴らしいクルマをテストしているが、あまりにも純粋なレーシングカーに近く、ただただ圧倒されてばかりだ。昨年のGT Rでさえ非常に高いレベルにあっただけに、本当に大きな進化だと思う。こんな安全な”職場”に恵まれて夢のようだね」と語った。

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2022年のFIA-F1世界選手権にセーフティーカーとして供給されるメルセデスAMG GTブラックシリーズとベルント・マインダー

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2022年のFIA-F1世界選手権にセーフティーカーとして供給されるメルセデスAMG GTブラックシリーズ (5)

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2022年のFIA-F1世界選手権にセーフティーカーとして供給されるメルセデスAMG GTブラックシリーズ (6)

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2022年のFIA-F1世界選手権にセーフティーカーとして供給されるメルセデスAMG GTブラックシリーズ (8)

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2022年のFIA-F1世界選手権にセーフティーカーとして供給されるメルセデスAMG GTブラックシリーズ (9)

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2022年のFIA-F1世界選手権にセーフティーカーとして供給されるメルセデスAMG GTブラックシリーズ (1)

新型MCに採用された「AMG GT 63 S 4マチック+」は、FIA医療救助コーディネーターのイアン・ロバーツ博士を含む最大3名の医療従事者を乗せる事になる。後部座席には現地サーキットから近い専門クリニックから派遣される1~2名の医療関係者が乗り込む。

最速で事故現場に駆けつけなければならないMCには、最高出力639馬力(470kW)を発揮する4リッターV8ツインターボエンジンが搭載され、9速AMGスピードシフトMCTが組み合わされる。先代が後輪駆動であったのに対し「AMG GT 63 S 4MATIC+」は全輪駆動で、悪天候や土砂降りの雨でも最適なトラクションと最高レベルの走行安全性が保証される。

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2022年のFIA-F1世界選手権にメディカルカーとして供給されるメルセデスAMG GT 63 S 4マチック+ (1)

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2022年のFIA-F1世界選手権にメディカルカーとして供給されるメルセデスAMG GT 63 S 4マチック+ (2)

メルセデスの歴代F1セーフティーカー
1996 C 36 AMG (W 202)
1997-1999 CLK 55 AMG (C 208)
2000 CL 55 AMG (C 215)
2001-2002 SL 55 AMG (R 230)
2003 CLK 55 AMG (C 209)
2004-2005 SLK 55 AMG (R 171)
2006-2007 CLK 63 AMG Black Series (C 209)
2008-2009 SL 63 AMG (R 230)
2010-2012 SLS AMG (C 197)
2012 (ドイツGP)-2014 SLS AMG GT (C 197)
2015-2018 Mercedes-AMG GT S (C 190)
2019-2021 Mercedes-AMG GT R (C 190)
2022 Mercedes-AMG GT Black Series (C 190)
メルセデスの歴代F1メディカルカー
1996 C 36 AMG (W 202)
1997 C 36 AMG (W 202) / E 60 AMG (W 210)
1998-2000 C 55 AMG Estate (S 202)
2001-2003 C 32 AMG Estate (S 203)
2004-2007 C 55 AMG Estate (S 203)
2008-2014 C 63 AMG Estate (S 204)
2015-2021 Mercedes-AMG C 63 S Estate (S 205)
2022 Mercedes-AMG GT 63 S 4MATIC+ (X 290)

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