漆黒再び…メルセデスF1、2023年新車「W14」世界初公開!無塗装で軽量追求
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メルセデスAMGペトロナスF1チームは2月15日(水)、2023年のFIA-F1世界選手権に投入する新車、「W14 Eパフォーマンス」をワールドプレミアした。軽量化のために漆黒カラーを復活させた。
V6ハイブリッド時代に絶対王者として君臨してきたメルセデスは技術規定が刷新された昨年、初めてコンストラクターズ選手権を落とした。ただ、雪辱に向けて開発されたW14は”ゼロポッド”など、先代のDNAを引き継いでいる。
この日公開されたレンダリングイメージは、メルセデスが「初期バージョン」と呼ぶ実車に近いデザインのものだという。
ルイス・ハミルトンは「多くを設計し直し、最適化し、そして革新してきた。新しいカラーリングも気に入っている。つまり、僕らは本気だってことだ」と感想を述べ、ジョージ・ラッセルは「美的にも素晴らしいし、大胆かつアグレッシブで、際立っている」と付け加えた。
反人種差別、多様性向上を誓うべくメルセデスは2020年の「W11」を黒く染め上げた。2シーズンを経て昨年の「W13」で伝統の”シルバーアロー”を復活させたが、1年で再び”ブラック・アロー”にロールバックした。
”漆黒”を構成するのは剥き出しのカーボンとマットブラックに塗装されたパーツだ。
予算制限と新技術規定に縛られる現行世代のF1マシンが抱える問題の一つは重量超過だ。今年は昨年以上に、カーボン剥き出しとして塗装分の重量を減らそうとする軽量化トレンドが際立っている。
ブラック・アローの復活についてチーム代表を務めるトト・ウォルフは「昨年の我々は重量超過だった。1グラムでも多く減らそうと考えた」と説明した。
歴史は繰り返す。
そもそもメルセデスのレースカーが「シルバー・アロー」と呼ばれるに至ったのは、規定重量オーバーという課題に対し、塗装を剥がしてアルミの地肌で検査をパスした1934年の出来事に由来する。
それが今回はベース素材がアルミではなくカーボンであるため、同じように塗装を剥がした結果「ブラック・アロー」となったわけだ。
チームはこの後、英国シルバーストン・サーキットにW14を持ち込みシェイクダウンを行う。