左:エリック・ブーリエ、右:ザクブラウン
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マクラーレン首脳陣、オイル漏れトラブルは車体側の問題と公表「簡単に解決できる」と楽観視

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マクラーレンF1チームの首脳陣は、2018年マシン「MCL33」に付随する一連の信頼性不足は「些細な課題」であると述べ、トラブルによる走行機会の損失はテストにはつきものであるとの認識を示した。

ホンダ製F1エンジンの信頼性不足を訴え、今年ルノー製エンジンを搭載する事を決断したマクラーレンだが、開幕戦に先立って行われているプレシーズンテストで皮肉にも昨年に引けを取らない数のトラブルに見舞われている。

4日間の日程で行われた第一回目のテストでは、ホイールナットとエキゾースト周りのトラブルに苦しんだ。3月6日から始まった二回目のテストでは、初日にオイルリークとバッテリーに不具合が発生、2日目の午前にもハイドロ系の問題に見舞われ走行時間を大幅に失った。

マクラーレンMCL33を駆るフェルナンド・アロンソ
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初日の遅れを取り戻すべくセッション開始から順調に周回を重ねていたフェルナンド・アロンソであったが、現地11時過ぎに突如7コーナーでマシンストップ。マクラーレンが赤旗の原因となるのはテスト通算4回目。アロンソはマシンを降り、コース上にはオイル漏れの際に使われるセメント粉がまかれた。

このアクシデントの直後に開かれたメディアセッションに登壇したチーム代表のエリック・ブーリエは、不具合の原因はエンジンとは無関係である事を明らかにした。ルノー製パワーユニットは、車体側に起因する何らかの原因によって破損した事になる。

「ちょっとしたオイル漏れがあったが、エンジンに関連するものではない。残念な事に、このトラブルによってエンジンが死んでしまった。詳細な調査のためにエンジンを交換しなくてはならない」

ライバル勢が周回数を重ねる中、マクラーレンは長時間に渡って停滞を余儀なくされている。一度ならず四度も信頼性の問題が発生したことに対して、ブーリエは自分達に時間を与えて欲しいと要望する。

「これは単にテストだ。幾つか些細な課題がある事は事実だが、これも一つのプロセスだ。ルノーとのパートナーシップは始まったばかりであり、そのパッケージは我々にとって未知なるものだ。これはテストなんだ。我々に時間を与えて欲しい」

マクラーレンは三年に渡って、コンパクトなホンダPU有りきのタイトなボディーワークを作り上げてきた。ルノーのエンジンレイアウトはホンダのそれとは大きく異なり、これまでのようなパッケージングを採用する事は難しい。だがルノーPUを搭載したMCL33は、ホンダ時代でないにしろそれなりに絞り込まれたボディーを備えている。

第一回テストでは、パワーユニットが発する熱処理が万全でないために、車体の一部が焦げる出来事があった。マクラーレンは冷却ダクトの数を増やすなどして日ごとに対策を講じているが、冷却とオイルリークのトラブルは別の問題だと明らかにしている。

開幕オーストラリアGPまで残されたテストは後二日のみ。名門復活を望むファンの期待は裏切られてしまうのだろうか?ザク・ブラウンCEOは、問題は全て特定済みであり、容易く解決できると主張する。

「生みの苦しみのようなものだと考えている。直面したあらゆる問題は全てほんの些細なものであり、テストではよくある事だ。何が問題なのかは分かっている。簡単に解決できる事も分かっている。もちろんもっと多く走りたいが、問題があるとは捉えておらず何も気にしてはいない」