マクラーレン、F1チームのトップに元WECポルシェのアンドレアス・ザイドルを起用
マクラーレン・レーシングは1月10日、F1チームのマネージング・ディレクターとしてアンドレアス・ザイドルを起用した事を明らかにした。ザイドルは2019シーズン中にチームに合流し、ザク・ブラウン最高経営責任者のもとで、F1レーシングプログラムの全責任を負う事になる。
長年に渡ってF1での成績低迷に苦しむマクラーレンは、過去5年間で一度も優勝できておらず、昨年、ホンダとのパワーユニット契約を解消しルノースポールと提携。グループ全体の組織変更を実施するなどして改革に取り組んでおり、今回の人事はトップチーム返り咲きを目指す長期計画の一環である。
アンドレアス・ザイドルはミュンヘン工科大学で機械工学を専攻後、2000年から2006年までBMWモータースポーツに勤務。その後はBMWザウバーのトラックオペレーションの責任者として2009年までF1に携わっていた。BMWのF1撤退に伴い、DTMのプロジェクトを担当。レースオペレーションディレクターとして主導的な役割を果した。
2014年にポルシェのWEC世界耐久選手権プログラムに加入。ドライバーとコンストラクターズタイトル3冠だけでなく、ル・マン24時間レース3連覇という偉業を成し遂げた。ポルシェのWEC撤退後はフォーミュラEに関与。スクーデリア・フェラーリへの移籍話が囁かれた事もあった。
「非常に名誉なことだし、壮大なチャレンジになる」とアンドレアス・ザイドル。「マクラーレンは、ビジョンとリーダーシップ、そして経験を併せ持っているが、最も注目すべきは、トップに戻るために必要な人材が揃っているという事だ。私の使命はチームを復活させることであり、マクラーレンのスタッフやルノー、そしてカルロスやランドと共に働ける事を楽しみにしている」
ザク・ブラウンCEOは「ザイドルは成功に溢れたキャリアを歩む非常に有能な人材だ」と述べ、加入を歓迎する声明を発表した。