ルマン24最速タイムを更新した小林可夢偉「一人で”ワオーッ!”って言っちゃいました」
第85回ルマン24時間レース予選2回目に、サルト・サーキット公式最速タイムを塗り替えた小林可夢偉。可夢偉は、2015年にポルシェのニール・ヤニが記録した3分16秒887を、2秒以上も縮める異次元の走りでポールポジションを獲得した。
トヨタTS050ハイブリッド7号車(LMP1クラス)のステアリングを握る小林可夢偉は、現地時間15日19時から行われた2回目の予選で、完璧なラップを決めてみせた。赤旗解除直後にアウトラップに出たこともあり、コース上にはほとんど他のマシンがおらず、新品タイヤを履いた可夢偉を遮るものは何もなかった。
トヨタ7号車は、小林可夢偉とマイク・コンウェイ、そしてステファン・サラザンを含めた計3人体制でルマンに挑んでいる。2回目の予選では、まずはチームメイトのマイク・コンウェイが周回を重ね、前日に可夢偉が記録していたタイムを更新、その後可夢偉にバトンが渡った。ポールタイムを記録したアタックを振り返って、可夢偉は次のように述べた。
「マイク・コンウェイがマシンは完璧だと言っていたので、自信を持って走る事ができました。トラフィックに邪魔される事もありませんでしたし、100%の自信が持てる時は、かなり上手くやれるものです。最高のラップでしたね。車は素晴らしかったですし、他のマシンの渋滞に巻き込まれる事もありませんでした。我々全員が望んでいた以上の結果です。こんな事はなかなか言えないものですが、パーフェクトなラップだったと思います。」
舞台のルマン24時間サーキット(サルト・サーキット)は、2007年にコースの一部が改修されている。現行レイアウトにおけるファステストラップは、15年にニール・ヤニ(ポルシェ・919ハイブリッド)が記録した3分16秒887となっていた。可夢偉はこれを2秒096上回る3分14秒791をマークした。
「ル・マンの歴史において最も速いだなんて最高ですよ!3分14秒だなんて思ってもいませんでした。フィニッシュしてタイムを見た時、一人で”ワオーッ!”って言っちゃいましたもん。でも、レースは24時間ですから、約束されたものは何もありません。このような結果でスタートできるのは本当に素晴らしい事だと思います」
可夢偉の7号車は、悲願のトヨタ初勝利に向けて決勝グリッド最前列からレースをスタートする事になる。