2019年F1ベルギーGP予選でのフロントロー獲得を称え合うフェラーリのセバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレール
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F1ベルギーGP予選圧勝のルクレール、決勝に弱腰…メルセデスのレースペースを警戒

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スクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレールは、F1第13戦ベルギーGP予選で他を大きく引き離しトップタイムを記録。キャリア通算3度目のポールポジションを獲得したが、フェラーリSF90の予選でのアドバンテージは、決勝で消え去る可能性があるとして、慎重な姿勢を貫いている。

レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンはエンジンに問題を抱えて失速。フェラーリに唯一歯向かったのはメルセデスだが、3番手につけたルイス・ハミルトンとルクレールのギャップは0.763秒。スパでの跳馬は異次元のスピードを放った。

ルクレールはチームメイトのセバスチャン・ベッテルに対してもコンマ7秒以上の差をつけ、1分42秒519を叩き出した自身のポールラップを「驚異的」と称した。だが、決勝レースに対する彼の見通しは、かなり悲観的だ。初日金曜のデータを紐解くと、フェラーリのレースペースはメルセデスに対して1周あたり0.5秒遅れをとっていた。

「FP1から比べれば速くなってると思うけど、FP2のレースシミュレーションはクイックではなかったし、明日は簡単なレースにはならないはずだ」とルクレールは説明する。「今日はかなりの大差をつける事が出来たけど、必ずしも明日が同じ様になるわけじゃない。レースペースを改善させるために、この後は全力で作業に取り組むつもりだ」

ルクレールが用心深くなるのも頷ける。彼はデビューシーズンのスクーデリアで、勝利をほぼ手中に収めながら2度ほど優勝を逃している。バーレーンではエンジンの信頼性トラブルによって、そしてオーストリアでは、マックス・フェルスタッペンの迫真のオーバーテイクによって、チェッカー直前に後退を強いられた。

ルクレールは「バーレーンの時は、僕自身に問題があったわけじゃないし、オーストリアでの教訓は、シルバーストンで活かす事が出来た。ライバルに対するアプローチをより攻撃的にすることでね」と語り、経験を重ねる事によって更に成長を遂げたと主張。フェラーリの今季初勝利のために、スパでのレースで全力を投じると誓った。

予選でのメルセデスとのギャップが大きく開いたのには理由があった。同じ新型フェーズ3エンジンを搭載したレーシングポイントとウィリアムズのPUトラブルを受けて、ハミルトンとバルテリ・ボッタスは予選Q3でパーティモード(予選専用エンジンモード)の使用を控えていた。

決勝で予選モードが使えないとしても、それは予選の時ほど痛手とはならない。ハミルトンは「明日は少なからずフェラーリに挑戦できることを願っている。彼らにはストレートでのトップスピードがあるが、それは大抵の場合、レースではさほど大きなアドバンテージではない」と語り、決勝での挽回を虎視眈々と狙っている。

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