
ガスリー横転も「ローソンお咎めなし」の理由、マイアミ決勝後に認められた”不可抗力”の証拠
2026年F1第4戦マイアミGP決勝では、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)のマシンが横転するショッキングなシーンがあった。リアム・ローソン(レーシング・ブルズ)に追突されたことが原因だが、スチュワードはローソンにペナルティを科さなかった。なぜか?
事故は5周目、ターン17のヘアピンで起きた。ブレーキングでガスリーがローソンに先行したところ、ガスリーの左リアにローソンが接触した。ガスリーのアルピーヌは横転し、車体の右半分がバリアに乗り上げる形となった。
両ドライバーに怪我はなかったが、2台はこの事故でリタイアした。
事故直前に失われた変速機構
スチュワードの視線は、「誰が事故を引き起こしたか」ではなく、「ローソンに過失があったか」という点に注がれた。
ローソンはレース後の聴聞で、衝突直前のブレーキング中にギアボックスが故障するという技術的なトラブルが発生したと釈明した。
「最終コーナーに差し掛かったところで、ブレーキをかけた瞬間にギアボックスが故障し、ニュートラルに入ってしまった。つまり、ギアが使えず、クルマを止めることができなかった。こんな経験は初めてだよ」とローソンはレース後に語っていた。
スチュワードは車載データとテレメトリーを調査し、接触の直前にギアボックスが故障したことは「疑いない」と認定した。チーム無線の内容も、ギアボックスにトラブルが発生していた事実を示していた。
ローソン「ガスリーに申し訳ない」
興味深いのは、ローソンが事前にギアボックスのトラブルを予見していたかどうかをスチュワードが検討したという点だ。事前に何らかの兆候があった場合、ローソンの過失に該当する可能性があると考えたのだ。
協議の結果、スチュワードは、ギアボックスの故障をローソンが事前に予測することは不可能だったと判断し、「これはマシンの機械的パーツの故障によるものであり、衝突を避けるためにドライバーにできることはなかった」と結論づけた。
ガスリーへの衝突についてローソンは、「お互いにとって最悪な事態なのは明らかだ」と振り返っている。
「僕ら双方にとって本当に大きな痛手だ。それが原因でリタイアしなきゃならなかったんだから。巻き込んでしまったピエールには申し訳なく思う」
2026年F1第4戦マイアミGPでは、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)がランド・ノリス(マクラーレン)を抑えて3戦連続のポール・トゥ・ウインを飾った。
ジル・ビルヌーブ・サーキットを舞台とする次戦カナダGPは、5月22日(金)のフリー走行1で幕を開ける。