
メルセデスF1、ル・マン参戦経験を持つIT企業CEOが共同オーナーに―ウォルフの一部持分を取得
メルセデスF1チームは、2025年F1ラスベガスGPの初日を迎えた11月20日、サイバーセキュリティ大手『CrowdStrike(クラウドストライク)』のCEO兼創業者ジョージ・カーツが、チームの共同オーナー兼テクノロジー・アドバイザーに就任したと発表した。
カーツは、チーム代表兼CEOのトト・ウォルフが所有する持株会社の株式15%(チーム全体の約5%に相当)を取得。メルセデス・ベンツ、INEOS(イネオス)、ウォルフと並ぶオーナーシップ・グループの一員となった。
今回のオーナー参画は、クラウドストライクが2019年にメルセデスのグローバルパートナーとなって以降、6年間にわたって築かれてきた関係の延長にある。
同社はAI主導のサイバーセキュリティソリューションを提供する米国企業で、世界各国の企業や政府機関にサービスを展開。メルセデスF1チームの技術インフラを保護する役割も担っており、このパートナーシップは今後も継続される。
ジョージ・カーツとは誰か?
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.
メルセデスF1チームの共同オーナー兼テクノロジーアドバイザーに就任したクラウドストライクCEOジョージ・カーツ (3)
注目すべきはカーツの異色の経歴だ。S&P 500企業のCEOでありながら、実績ある耐久レーサーでもある。
2016年にプロレーサーとしての活動を開始。2023年のル・マン24時間レース(LMP2 Pro-Amクラス)、2021年のセブリング12時間レース、そして2023年のプチ・ル・マンなどでクラス優勝を果たした。
また、メルセデスAMG GT3を駆り、インディアナポリス8時間レースとスパ24時間レースの両方で2度の優勝を経験しているほか、GTワールドチャレンジ・アメリカなど数多くの選手権でタイトルを獲得している。
カーツ「データが勝利をもたらす」
カーツは共同オーナー兼アドバイザー就任にあたり、次のようにコメントした。
「レースとサイバーセキュリティで勝つには、スピード、精度、イノベーションが欠かせない。1000分の1秒が重要だ。実行力が勝負を分け、データが勝利をもたらす」
「テクノロジーは、競争優位性と人間の能力を変革している。モータースポーツも例外ではない。チームが前進し続けるために貢献できることを楽しみにしている」
カーツはチームのイノベーションや技術戦略を支援する役割を担う。加えて、米国および世界のテクノロジー分野での新たなパートナーシップ構築にも関わる。
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.
メルセデスF1チームの共同オーナー兼テクノロジーアドバイザーに就任したクラウドストライクCEOジョージ・カーツ (2)
ウォルフ「異色のカーツ経歴、ますます重要に」
チーム代表兼CEOのウォルフは、カーツを歓迎した。
「ジョージの経歴は、その幅広さにおいて異色と言える。彼はレーサーであり、メルセデスAMGのアンバサダーであり、並外れた起業家でもある」
「彼はレースの過酷さと、テクノロジービジネスの構築・拡大という両方を理解している。この組み合わせは、今後のF1において、ますます重要となる独自の洞察をもたらしてくれるはずだ」
なお、チームのガバナンス自体に変更はなく、ウォルフは引き続きチーム代表およびCEOとしての職務を継続する。