ドライバーズパレードで観客に手を振るアルピーヌのエステバン・オコンとフェルナンド・アロンソ、2022年7月31日F1ハンガリーGP
Courtesy Of Alfa Romeo Racing

好敵手ではなくアロンソに「パンチを効かせる」オコン、アルピーヌ離脱の一因か

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フェルナンド・アロンソのアストンマーチン移籍の決め手の一つは、アルピーヌに留まるよりも長期に渡るF1での現役生活に関する保証が得られた点だとみられるが、マーティン・ブランドルはエステバン・オコンの「パンチの効いた態度」にも着目している。

F1第13戦ハンガリーGPの翌月曜、2022年シーズン限りでF1を引退するセバスチャン・ベッテルの後任としてアロンソが英国シルバーストーンのチームと複数年契約を結んだことが発表された。

フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)とサイド・バイ・サイドを繰り広げるセルジオ・ペレス(レッドブル)、2022年7月31日F1ハンガリーGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)とサイド・バイ・サイドを繰り広げるセルジオ・ペレス(レッドブル)、2022年7月31日F1ハンガリーGP

ブランドルはSky Sportsのコラムの中で「アルピーヌはアロンソに2年契約を提示できなかったか、あるいは提示しようとしなかったようで、アストンマーティンとの契約は公式に複数年と説明されている」と指摘した。

ハンガリーGPとアルピーヌと言えば、昨年大会が印象的だ。アロンソは猛追するルイス・ハミルトン(メルセデス)を10周に渡って抑え込む事でオコンの初優勝をアシスト。自身は4位フィニッシュながらもDriver of the Dayを受賞した。

あの”献身的なアロンソ”から1年を経て行われた今年のハンガリーGPでは、スタートの際に一悶着あった。

オープニングラップでオコンは、チームメイトに対して2度に渡って際どいディフェンスを見せブロック。アロンソは「あんなディフェンスはキャリアの中で初めてだ!一度だって見たことない」と不満を漏らした。

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同じタイヤを履いて同じ戦略を採るアルピーヌのチーム内抗争はその後も続き、ダニエル・リカルド(マクラーレン)に対して2台同時のごぼう抜きのチャンスを与えるにも至った。

元F1ドライバーにして1990年のルマン・ウィナーでもあるブランドルは「チームメイトのエステバン・オコンがライバルに全砲門を開くというよりむしろ、彼に対してパンチを効かせている事にアロンソは相当白けている」と付け加えた。

オコンがライバルチームのドライバーよりもチームメイトに対して執拗なドライビングを見せるのは何も今回が初めてではない。フォース・インディア時代にも幾度となくチームメイトのセルジオ・ペレスに突っかかり、それが同士討ちに繋がる事も決して珍しくはなかった。

ブランドルはまた、F1史上3番目に多い通算53勝を上げて4度に渡ってF1世界選手権を制し、今もなお史上最年少チャンピオン記録を保持するベッテルについて「セバスチャンは真のチャンピオンであり、人間的にも非常に優れた人物だった。彼のキャリアについて解説できた事は喜びだった」と書き添えた。