ポコノ・レースウェイを走るアレキサンダー・ロッシ
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INDYCAR 第14戦ポコノ:恐怖の大クラッシュで2時間赤旗…ロッシが3勝目、佐藤琢磨は事故に巻き込まれリタイヤ

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インディカー・シリーズ第14戦ポコノ・インディカー500の決勝レースが現地8月20日(日)に行われ、予選3番手のアレキサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポーツ)が今季3勝目を挙げた。レースはオープニングラップからクラッシュが発生。リスタート後には息を呑むような大事故が発生する波乱の展開となった。

ロッシは、200周で争われた決勝の内180周でリードラップを記録。2位のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)に4.4982秒差で競り勝ちトップチェッカーを受けた。ポイントリーダーのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)は予選13番手から3位フィニッシュ。ロッシはシリーズ3戦を残し、選手権でのディクソンとのギャップを29ポイント差に縮め2位をキープした。

アメリカ・ペンシルベニア州のポコノ・レースウェイは「トリッキー・トライアングル」と呼ばれ、Rの異なる3つのターンで構成される三角形状のオーバルコース。決勝は1周2.5マイルのコースを200周、走行距離500マイル=805キロで勝敗を争った。日曜の現地は上空一面に雲が垂れ込め、レースは気温19℃と肌寒いコンディションでスタートした。

スタート開始直後、 コントロールラインを通過する直前に加速のタイミングを誤ったグラハム・レイホールがスペンサー・ピゴットに突っ込みクラッシュ。早くもフルコースイエローという波乱の展開となった。

7周目にようやくリスタートするも、今度はロバート・ウィッケンズとライアン・ハンターレイが絡む大クラッシュが発生。ターン2のイン側にいたウィッケンズの右フロントとハンターレイの左リアが軽く接触。ハンターレイの車に乗り揚げ空中に巻き上げられたウィッケンズは、勢いよく鉄製フェンスに激突。高速横回転しながらコースに叩きつけられた。

混乱に巻き込まれる形でジェームス・ヒンチクリフとピエトロ・フィッティパルディが接触。破損したマシンから大量のオイルが噴出し、佐藤琢磨が餌食となり壁に激突した。コース上には大量のデブリが飛散。レースはレッドフラッグとなり、フェンス復旧のためにレースは1時間56分に渡り中断した。

事故後の映像はウィッケンズのマシンを一切映さず、事態が如何に深刻であるかを物語った。全く情報がアップデートされない事でウィッケンズの安否が心配されたが、事故から約1時間が経過したところでようやくアナウンス。意識がありメディカルヘリで地元アレンタウンのLehigh Valley病院へと搬送された事が明らかにされた。

動画: ウィッケンズが大事故で重傷

ヒンチクリフとフィッティパルディは軽い負傷。フィッティパルディと琢磨、そしてハンターレイは無傷で事なきを得たが、いずれもレース開始早々にリタイヤを喫する事となった。

レースはセーフティーカー先導で13週目にグリーンフラッグ。恐怖の事故を目の当たりにしたせいか、各車慎重に周回を重ね、その後は一度もイエローなくチェッカーとなった。事故の影響は間接的に他のマシンにも及んでおり、最終的に22台中8台がリタイヤを強いられた。

インディカー第14戦ポコノ決勝順位結果

Pos. Start Driver Team
1 3 アレキサンダー・ロッシ Andretti
2 1 ウィル・パワー Team Penske
3 13 スコット・ディクソン Chip Ganassi
4 8 セバスチャン・ブルデー Dale Coyne
5 2 ジョセフ・ニューガーデン Team Penske
6 7 ザック・ビーチ Andretti
7 11 マルコ・アンドレッティ Andretti
8 5 シモン・パジェノー Team Penske
9 19 チャーリー・キンボール Carlin
10 15 エド・カーペンター Ed Carpenter
11 20 マテウス・レイスト AJ Foyt
12 12 エド・ジョーンズ Chip Ganassi
13 21 マックス・チルトン Carlin
14 18 グラハム・レイホール Rahal
15 22 コナー・デイリー Harding Racing
16 16 スペンサー・ピゴット Ed Carpenter
17 14 トニー・カナーン AJ Foyt
18 4 ライアン・ハンター=レイ Andretti
19 6 ロバート・ウィッケンズ Schmidt Peterson
20 9 ジェームズ・ヒンチクリフ Schmidt Peterson
21 10 佐藤琢磨 Rahal
22 17 ピエトロ・フィッティパルディ Dale Coyne