トラックリミット回避、簡単だと思うなら僕のクルマでやってみ!とフェルスタッペン…クルマからは何も見えんとルクレール
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レッドブル・リンクではお馴染みの風景だが、2023年のF1オーストリアGP予選も3セッションを通して「トラック・リミット」が連呼され、実に47件ものラップタイムが抹消された。
時に走路違反は致命的な結果に繋がる。この日はセルジオ・ペレス、エステバン・オコン、オスカー・ピアストリの3名がベストタイムの抹消によりQ3進出を逃した。
単にホワイトラインの内側に留まれば良いだけであって自業自得でしょ?との声があるかどうかは分からないが、それが如何に難しいかは、無違反だったのがシャルル・ルクレールとローガン・サージェントの2名だけだった事からもうかがえる。
ターン10の出口で違反があったとしてQ2最初のラップを抹消されたマックス・フェルスタッペンは、トラック・リミットを回避するのが簡単だと批判するのであれば、自身のクルマを貸すから「やってみればいい」と薄ら笑いを浮かべた。
「トラック・リミットという点でここは最悪なコースの一つだと思う。特にタイヤの温度がかなり上がる関係で、序盤と比べてラップ終盤はあまり機敏に動けなくなるんだ」
「(コックピットの中で白線の位置を)判断するのは超難しい。コンプレッションもあるし、少しでもミスるや否や、クルマは離れていったり、アンダーステアになったりして、超余裕で白線を越えてしまうんだ」
「今日は本当に馬鹿げていたように見えたと思う。抹消されたラップタイムの数的に、今日の僕らは殆どアマチュア同然に見えたんじゃないかと思う。その中にはあまりにも際どいものもあった」
「事前のブリーフィングの中で話していた事でもあるんだけど、かなり微妙なものについては(コックピットの中から)白線の内側なのか外側なのかを判断するのは不可能だ。それでも結局、抹消され続ける事になった」
「今日はあまり良い見栄えじゃなかったように思う。もちろん中には『兎に角、白線の内側に留まれば良いじゃないか』と言う人もあるだろう」
「でもまぁ、そんなに簡単だというなら僕のクルマでやってみればいい。たぶん時間内にスピードに乗ることすらできないだろうね」
「一般的に言って僕らはリミットに対する判断にかなり長けているけど、このサーキットはレイアウトとタイヤの作動、つまり1周を通してかなりオーバーヒートするという点で見極めるのがかなり難しいんだ」
「ほとんどのコースに関しては問題ないと思うけど、幾つかについては調査する必要があるかもしれない」
ルクレールもフェルスタッペンに同意する。
「このコースは特に厄介なんだ。中でもターン10がね。あそこはコーナーの性質上、ミッドコーナーでクルマを地面に抑える負荷が減ってしまうんだ。落差のせいでね」
「それに上手くポジショニングしても脱出の際に大きな影響があるし、クルマの中からじゃ低くて何も見えないんだ」
「今後は、この手のコースでもう少しマージンを取ってくれるといいね。クルマの中から判断するのは不可能だって事を彼ら(FIA)が理解してくれる事を願うよ」
レッドブル・リンクでのトラック・リミットのあり方に問題があると指摘しながらもフェルスタッペンは、それに対する明確な解決策を用意するのは「簡単ではない」と認める。
例えば一つのソリューションは舗装をグラベルに変える方法があるが、F1で使われるサーキットはF1専用ではなく、MotoGPを含む2輪レースでも使われるほか、プロドライバーだけでなくアマチュアも使用するため、F1の都合だけで変更することはできないとしてフェルスタッペンは「おそらく何か別のソリューションを考える必要がある」と指摘した。
そして現実的な選択肢として、幾つかのコースで採用されている白線の幅を広げる方法を提案した。
なおフェルスタッペンは、予選Q1でケビン・マグヌッセン(ハース)の走行を妨害した疑いがあるとしてセッション後に召喚されたが、スチュワードはお咎めなしの裁定を下した。