レッドブル・レーシングが企画したバーニー・エクレストンの誕生日会に顔を出したクリスチャン・ホーナー、ヘルムート・マルコ、ニキ・ラウダ、トト・ウォルフ、2016年F1ブラジルGPにてcopyright Getty Images / Red Bull Content Pool

2020年のF1は全面中止が妥当だ…最低15戦を楽観視するリバティに悲観的なエクレストン

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かつてF1を牛耳っていたバーニー・エクレストンは、仮に自身に決定権があるならば、2020年シーズンのF1世界選手権は完全に放棄していただろうとの考えを示し、アゼルバイジャンまでの8戦が宙ぶらりん状態にあるにも関わらず、最低15戦を楽観視しているF1上層部のスタンスに疑問を呈した。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行の影響で、2020年のF1は開幕オーストラリアGPから第8戦アゼルバイジャンGPまでのグランプリが中止あるいは延期を余儀なくされており、現時点では6月14日のカナダGPが開幕の大役を担う予定となっている。

27日現在での全世界の確定症例数は59万件を超し、死傷者は2万6,935人に上っており、更に甚大な被害が確実視されているものの、F1のチェイス・キャリーCEOは今週初めに、最低15戦、上手く行けば18戦をカレンダーに押し込める事が出来るはずだとの見解を示した。

新しい統治者が今シーズンを楽観視する一方で、89歳になったかつてのF1最高責任者は、ブラジルの農場に閉じ籠もる生活をしながらロイター通信のインタビューに応じて次のように述べ、今季のF1は事実上ゲームオーバーだとの考えを示した。

「もし私ならどうするだろうか? 今年は全てのレースを打ち切ると言わざるを得ないと思う。それが人々の安全のためにできる唯一の手段なのだから、バカげた事をしないようにしないとね」

それは事実上、2020年シーズンを全面的に諦めて来季に懸ける事を意味しているのか?と問われたエクレストンは「オリンピックがそう決断したように、不幸な事ではあるがそういう事だ」と答えて同意した。安倍首相は3月24日に、IOCのバッハ会長に1年程度の延期を提案。2021年夏までに東京オリンピック・パラリンピックを開催することで合意に至った。

現時点でさえ15戦~18戦を目論むリバティ・メディアの計画についてエクレストンは「もし彼らがそれを達成できたとしたら、私は本当に本当に本当に驚くだろうね。でもそうなる事を心底願っている。来年の初めに3、4レースを開催して、それを2020年のチャンピオンシップにカウントする事も出来るからね」と述べ、悲観的な見方を示した。

ただしエクレストンは、リバティ・メディアのやる事なす事全てを否定しているわけではなく、新型肺炎によるこの混乱が彼らの統治力を高める絶好の機会となるともアドバイスする。

F1を世界一流のスポーツイベントにまで高め上げ、「ミスターE」とまで呼ばれたレーサー兼ビジネスマンは「リバティにとっては、支配権を手にするチャンスとなる可能性もある。あらゆる現地プロモーターよりも優位な立場を築き上げつつ、各チームの参戦費用を一気に切り詰めて、チームスタッフの数を700名ではなく70名に変える好機となり得ると思う」と述べた。