ホーナー、ベッテルの”代役”としてグッドウッドへ「あまりにも楽しくてつい…」レッドブルF1マシンを初ドライブ
セバスチャン・ベッテルの「代役」として参加するグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(FoS)に向けた準備のためにレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、7月11日(木)に英シルバーストン・サーキットで2012年のF1チャンピオンマシン「RB8」をドライブした。
次戦ハンガリーGPまでの短いオフを利用してレッドブルは、今週木曜に最新型の「RB20」をシルバーストンに持ち込みリアム・ローソンにステアリングを握らせたが、 この日、マシンをドライブしたのはリザーブ・ドライバーを務める22歳のニュージーランド人ドライバーだけではなかった。
ロイター通信によると、1998年のフォーミュラ3000を以てレーシングドライバーとしてのキャリアに終止符を打ったホーナーは、4度のF1王者が「アビー」と呼んだベッテルにとっての3度目のチャンピオンカーをドライブした。
ホーナーは「楽しかったよ。レッドブルのマシンをドライブするのは初めてだし、ハンドクラッチとツーペダルでのドライブも今回が初めてだった」と語った。
「私は1998年以降、シングルシーターをドライブしていないし、F1マシンのドライブとなると1993年以来だ」
ホーナーにとっての最後のF1マシンは1993年にヘセルでドライブしたロータスだった。このクルマは、当時ロータスチームのスポンサーだった現アストンマーチンの会長、ローレンス・ストロールが購入したものだった。
ホーナーは今週末のFoSで2011年型「RB7」をドライブする。グッドウッドでベッテルの代役を務めることになった理由についてホーナーは、ベッテルが家族旅行中で参加できないため、代役を務めるよう勧められ、思い切って引き受けたと説明した。
「セバスチャン・ベッテルがドライブする予定だったのだが、家族と休暇中でグッドウッドに来ることができなくなり、みんなから『君が運転してみたらどうだ?』と提案されたんだ」
「そこで昨日、ハンドクラッチと左足ブレーキのマシンをドライブする機会を設けた。 チャンピオンシップで優勝した素晴らしいマシンを運転できるなんて本当に光栄だし、素晴らしい特権だ」
「というわけで私は今週末のグッドウッドでセバスチャンの代役を務めることになった」
ブロウン・ディフューザーの禁止を受けエイドリアン・ニューウェイが生み出したRB8はシーズン前半こそ厳しい争いを強いられたが、シンガポールGPでアップグレードが導入されると一気に競争力を引き上げ、ベッテルはフェルナンド・アロンソを逆転して3年連続のタイトルを勝ち取り、チームはコンストラクターズ選手権で3連覇を達成した。
RB8でのドライブについてホーナーは「これらのクルマの速さ、そして空力の影響力は驚異的だ。一番驚いたのはアクセルを離した時のことだ。まるで誰かが錨を投げ込んだかのようだった」と振り返る。
「ロードカーで急ブレーキをかけたような感覚だった。その後、ブレーキを踏むと、胸からあごを引き離すのに必死だった。あまりにも楽しくてピットレーンを通り過ぎてしまい、もう一周余計に走ってしまうほどだった」