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22日(金)、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が、グランツーリスモSPORTのニュルブルクリンクGPコースのアタックラップ映像を公開した。ハミルトンは今年、TVゲーム「グランツーリスモ」のマエストロ兼メンターに就任。本気モードのハミルトンは、瞬きもしないほどに集中したドライブを披露。ゲーム動画にも関わらず、ハミルトンが4度のF1王者足る所以がよく分かるモータースポーツファン必見の動画となっている。
乗り込んだのはメルセデスAMGのGT3マシン、普段ステアリングを握るF1マシンとは異なり、パワーも重量もまるで違う。にも関わらず、ハミルトンは徐々にマシンの限界を見極めながら車の特性を理解し、最速で走るための走り方を少しずつ少しずつ見出していく。その姿は、多くのプレイヤーのお手本となるだろう。
グランツー所有者でなくても大いに楽しめる。実際のレースではヘルメットを被っているため、ガチンコで走っている時のハミルトンの表情を知る術はないが、映像内では普段決して見ることの出来ないアタックラップ中のハミルトンの顔を拝む事ができる。カッと目を見開いたそれは、ヘルメットを脱いだ時の表情とはまるで別人。個人的には、本物のグランプリのフリー走行をテレビ視聴する以上に楽しめた。
48分にも及ぶ映像の中でハミルトンは、プロデューサーの山内一典氏と語り合いながら、コースやマシンを理解するためのアプローチの仕方等を伝授。映像では、ハンドリングの様子に加えてアクセル操作がスワイプで表示されているため、上手く走りたいeSPORTSプレイヤーにとって大いに参考になる。
「ほとんどの車の場合、ブレーキングはストレートで行ったほうが良い。でないと、コーナーでフロントが少し浮いちゃったり、タイヤをロックしたりアンダーステアに繋がるんだ」と語るなど、具体的なアドバイスも飛び出す。
「後コンマ3秒は削れたはず」フリー走行後に聞かれるそんなコメントの背景にある裏付けされた確信の理由がよく分かる。シフトチェンジのタイミング、コーナー毎のアクセルを踏み込み方等…。マイラップ毎に試行錯誤しながらラップタイムの短縮を目指す姿を見ていると、トップドライバーとていきなり速く走れるわけではなく、職人のように少しずつ詰めていき、その積み重ねの結果として速く走れるものだという事をまざまざと見せつけられる。
「57秒台を出すにはあと数周必要」ハミルトンはその言葉通りにタイムを刻んでいく。
「入り口ではオーバースピードに見えるのに、きちんとインに付けるのが驚異的」そう語る山内氏の感想に思わず頷いた。見ていて最も驚かされるのが、コーナーへの侵入速度。「えっ!?それ突っ込み過ぎでしょ…」と素人感想を漏らすところを、ハミルトンは難なくマシンの鼻先を転換し華麗にコーナーを駆け抜けていく。そのドライビングの秘密は…是非、動画を見て頂きたい。
F1マシンはあまりにも速すぎるため、ドライバーがどの程度凄いのか実感しにくいところがある。ゲームを走る姿の方がその実力を感じられるというのは新鮮な経験だった。F1ドライバーを引退したドライバーがGTレース等に参戦する姿をよく目にするが、意外とeSPORTSに進出するのもアリなのでは?と思うほどに、やはりトップレベルのドライバーは速い。
キャリア絶頂の4度のF1ワールドチャンピオンが、自らのドライビングテクニックと哲学を語りレクチャーするのは史上初。少なからずともレースを愛する全ての人にとって、極めて貴重な体験となるだろう。
「グランツーリスモSPORT」はプレイステーション4対応のゲーム。PlayStation VRにも対応する。トヨタから世界耐久選手権に出場している小林可夢偉もゲーム開発に協力するなど、これまで以上のクオリティを備えている。
- 発売日
- 2017年10月19日
- 対応機種
- プレイステーション4
PlayStation®VR対応 - 価格(税抜)
- 通常版:6,900円
初回限定版:9,900円 - プレイヤー人数
- 1~2人(オンライン時:1~24人)
- ジャンル
- リアルドライビングシミュレーター
- 制作
- ポリフォニー・デジタル
- 発売元
- ソニー・インタラクティブエンタテインメント