
角田絡みの日本報道にも苦言…小松代表、”オコン不仲説”を辛辣批判「恥ずかしくないのか?」
ハースの小松礼雄F1チーム代表が、エステバン・オコンとの関係が悪化したとする一部報道をめぐり、根拠のないたわごとだと一蹴した。2026年F1第5戦カナダGPを前に、出所の不確かな話が書き重ねられていく報道のあり方そのものに、非常に強い言葉をもって批判した。
臆測の中心にあったのは、オコンと小松代表との関係が悪化し、マイアミGP後に対立があったというものだ。
オコン自身も、同じくカナダGPのメディアデーに、この話を「完全なデタラメ」と否定した。モータースポーツ専門メディア『Racer』によるとオコンは、ハースへの移籍の要因には小松代表との長年にわたる良好な関係があるとし、それは今も変わっていないと強調した。
「ジャーナリズムと言えるのか」噂を一蹴
Courtesy Of Haas
ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットのパドックに並ぶTGRハースF1チームのホスピタリティ、2026年5月21日(木) F1カナダGPメディアデー(ジル・ヴィルヌーヴ・サーキット)
噂の発端は、ジャーナリストのジュリアンヌ・セラソーリ氏が、ブラジルの大手ポータルサイトのスポーツメディア『UOL Esporte』で語った内容にあるとみられている。ただし、セラソーリ氏は、自身の発言を引用したとされる報道についてSNSで「誤訳」があると指摘している。
セラソーリ氏は、自身が話していたのは2027年に向けたラファエル・カマラ(フェラーリ育成傘下)のハース移籍の可能性および、小松代表が公の場でオコンに成績向上を求めていたという既知の事実であり、マイアミでの両者の対立については一切何も聞いておらず、コメントもしていないと釈明している。
モントリオールで小松代表は、一連の報道について言葉を選ばなかった。
「正直なところ、あの話がどこから来たのか分かりません。見当もつきません」と小松代表は語る。
「つまり、ブラジル人ジャーナリストの発言が引用されたのかどうかも分かりません。私に心当たりはありませんし、まったく根拠のない完全なたわごとです」
「デタラメを書きたいなら勝手にどうぞ、というところですが、それはジャーナリズムと言えるのでしょうか。私には理解できませんし、ひどいものです。一体、何を狙っているのでしょうか。常軌を逸しています」
オコンとはメディアデーの朝に一連の報道について話し合ったと明かしたうえで、マイアミで対立したとされている点についても、「私はマイアミでエステバンと一度も口論などしていません」と否定した。
小松代表が最も問題視したのは、噂が伝播していく構造そのものだった。
「こうしたデタラメが完全にでっち上げられ、しかも情報源を確認しないために、皆がそれに乗っかってさらに書き重ねていくなんて、本当に驚くばかりです。これのどこがジャーナリズムなのでしょうか? ただのくだらないデタラメ、ゴシップですよ」
角田絡みの日本報道にも苦言
小松代表はまた、この騒動が日本語圏でどう変質したかに言及しつつ、自身が角田裕毅の獲得を望んでいるという話が創作されたと指摘した。一部のサイトは、角田がレッドブル陣営を離れ、トヨタが支援するハースのシートに座る可能性を報じている。
Courtesy Of Haas
ガレージ内で小松礼雄(ハースF1チーム代表)から説明を受ける豊田章男(トヨタ自動車会長)、2026年3月29日(日) F1日本GP決勝(鈴鹿サーキット)
「これは日本語でも書かれたようです。誰かが、ブラジル人ジャーナリストの発言が引用されているという日本語の記事を送ってきたんです。ただ私は、そのブラジル人ジャーナリストが実際に何を書いたのかを読んでいないので、日本語訳がどれほど正確なのかはわかりません」と小松代表は語る。
「それに、日本のサイトの多くは、本当に下らない話をでっち上げたいようです。ユーキを獲りたいとか、そういう話ですが、それには全く根拠がないので私は見向きもしていません」
小松代表は、オコンの母国フランスでも同様に、この話題を取り上げるジャーナリストがいたと指摘した。
さらに、子供の頃は調査報道のジャーナリストになりたかったとも明かし、「自分が書いているものを恥ずかしいとは思わないのでしょうか」と問うた。
「根拠のないこうしたデタラメを書くことで、信用は完全に失われますよね。少なくとも私の中では、こういうデタラメな記事を出すメディアはどこであれ信用を失います」
オコンが訴えた実害
小松代表は、この騒動がすべての関係者にとって「完全に時間の無駄」であると切り捨てた。一方、オコンは、噂が及ぼした実害をより具体的に明かした。あまり気に留めないようにしているが、理由もなく話が大きくなりすぎたため、無視できなくなったという。
モータースポーツ専門メディア『Crach』によるとオコンは、「ついさっきまでアヤオと話していたんだ。僕が見た記事では彼を『リョウ・コマツ』と書いてあった。酷い冗談だよ。しかも、僕らがマイアミで大喧嘩をしたとまで書いていた」と語った。
「僕も人間だから、ある意味で影響を受ける。家族にも影響するし、僕を頼りに支えてくれているスポンサーにも影響する。何年も、何シーズンも支援してくれているスポンサーもいるんだ」
「何の根拠もないのに、たった2日か3日でドライバーの評判にこれほど損害を与えるなんて、本当に残念だよ。そして、こういう人たちは何の問題もなく逃げ切る。彼らは話をでっち上げ、すべての汚物をこちらに背負わせる。それで彼らにとっては何も問題ない。かなり異常だ」
「誰がこの話をでっち上げているのかは知らないけど、その人物には会わない方がいいだろうね。だって、会ったらただでは済まないだろうから」
ベアマンとの成績差と不透明な去就
Courtesy Of Haas
テーブルで資料に目を通すオリバー・ベアマン(ハース)とエステバン・オコン(ハース)、2026年5月21日(木) F1カナダGPメディアデー(ジル・ヴィルヌーヴ・サーキット)
確かに、今季末をもってハースとの現行契約が満了を迎えるオコンは、チームメイトとの成績差に直面している。オコンが今季ここまで獲得したポイントは1ポイントにとどまる。一方、オリバー・ベアマンは17ポイントを挙げている。
フェラーリのシートに空きが出ない限り、ベアマンが2027年もハースにとどまることはほぼ確実と言える。ベアマンは実質的に、フェラーリからハースにレンタルされている形だ。
フェラーリは来年もシャルル・ルクレールを継続起用する見通しであり、ルイス・ハミルトンもカナダGPの週末を前に、年末での引退の可能性を否定した。ベアマンのフェラーリ昇格の道は当面、閉ざされているように見える。
一方で、オコンが来季もハースに残留するかどうかは不透明だ。とりわけ予選での一発の速さに関しては、ベアマンに対して明確に遅れを取っている。
なお、小松代表はプレシーズンの時点で、オコンの2025年の成績をめぐり、チームとして「もっと多くを期待していました」と述べ、両者の率直な関係を背景に今季はベアマン共々、2人揃っての活躍が「より一層必要」であると強調していた。
オコンは2027年以降の見通しについて、「その手の話し合いは夏に行われるものだ。いつだってね。だから現時点では、いまやるべきことに集中する。将来については後で考える」と語った。
「でも、緊急事態や口論があるわけじゃないし、アヤオやチームと話をしていないわけでもない。すべてでっち上げだ」