トーンダウンしたフェルスタッペン、初のF1ラスベガスGPは”ショー批判”の誤りを証明したとハミルトン
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週末以前の段階からイベントとコースを批判し続けてきたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、史上初の開催を迎えたF1ラスベガスGPでトップチェッカーを受けると「ビバ・ラスベガス」を歌い、エルヴィス・プレスリー仕様のレーシングスーツを着て表彰台の頂点に立った。
3度のF1王者は週末を前に「99%がショーでスポーツイベントとしては1%」と批判した。そして、警備スタッフのシフト終了と共に会場からファンを締め出し、代わりに200ドル分の商品券を配ったF1と主催者の対応に”拝金主義”のレッテルを貼り、「退屈」だとしてコースを切り捨てた。
完全に考えを改めたというわけではないだろうが、僚友セルジオ・ペレス、そして幼少期からのライバルであるシャルル・ルクレール(フェラーリ)との刺激的なバトルに打ち勝った後のフェルスタッペンは明らかにトーンダウンした。
レースを振り返ったフェルスタッペンは「間違いなく楽しかった」と述べ、イベントは大成功だったと言えるか?と問われると「そうだね、凄く楽しいものになったと思う」と返した。
無線でプレスリーの楽曲を口ずさんでいたが、ラスベガスGPに対する否定的な見解を変えたのか?と問われると「良いレースになるとは思ってたよ」と答えた。
「その事を懸念した事は一度もないし、今日は楽しかった。それについて言いたいのはこれだけだ。みんなが楽しんでくれたことを願ってる。クリスチャン(ホーナー)から振られたから歌わないわけにはいかないでしょ!でも、間違いなくレッスンが必要だね」
確かに批判していたのはイベントにおけるショー的要素を重視する主催者の姿勢であり、コースレイアウトであって、レースそのものに対して批判的な見方を示していたわけではなかった。
F1は自らが初めて運営するこのイベントに、土地の購入を含めて5億ドル(約750億円)という莫大な資金をつぎ込み、総力を挙げて声高に喧伝してきた。ネガティブな声に対して通常以上に敏感になっていたのは疑いない。
フェルスタッペンはイベントのみならず、質問者を罵倒してまでF1を徹底擁護したメルセデスのトト・ウォルフ代表や、ラスベガス観光局のお偉方にまで噛み付いた。行き過ぎだと、F1首脳陣から厳重注意されたのだろうか?
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、実際のレースを通して自らの考えを変えたのだと否定した。
名指しこそしていないが、7位フィニッシュしたルイス・ハミルトン(メルセデス)は「全てがショーだと言って否定的な見方をしていた人たちがいたけど、ベガスはそれが間違っていることを証明したと思う」と述べ、2021年のタイトル争いのライバルをチクリと刺した。
また、ウォルフは「私が言ったように、排水口の蓋は何も問題がなかった。壮観なレース、素晴らしい観客、凄まじいイベントだった。トップ争いのある良いレースだったと思う。私の記憶に残るのはそういうことだ。ラスベガスでの最初のレースは、あらゆる条件を満たしていた」と語った。