激しいポジション争いを繰り広げるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とランド・ノリス(マクラーレン)、2024年10月20日(日) F1アメリカGP決勝レース(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

FIA、F1ドライバーからの提起を受けガイドライン改訂へ…フェルスタッペン走法が物議を醸す中

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F1を統括する国際自動車連盟(FIA)は、F1メキシコGPの週末にドライバーから問題点を提起されたことを受け、「ドライビング標準ガイドライン」の見直しを行う方針を示した。

同ガイドラインは、アメリカGPで物議を醸したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とランド・ノリス(マクラーレン)の一件により大きな注目を集めた。

スチュワードは、エイペックスでフェルスタッペンに先行を許したことを要因の一つとして、ノリスに5秒ペナルティを科した。これはガイドラインを根拠とした判断だった。

フェルスタッペンのドライビングについてマクラーレンは、そもそもコース内に留まってコーナーを曲がる意思がなかったとして、エイペックスでの両車の位置関係を重要な証拠として裁定を下すべきではないと主張した。

スチュワードの決定は一部のドライバーから疑問視され、メキシコGPの開幕前日にピエール・ガスリー(アルピーヌ)は、決定自体はルールに沿ったものであるとする一方、今後に向けて改訂の必要があると指摘した。

情報筋によると、金曜日に行われたドライバーズ・ブリーフィングでFIAは、今回のインシデントを受けて見直しを行い、次戦カタールGPでドライバーに改訂案を提示する予定であると伝えた。

一部のドライバーは会合の中で、アウト側からのオーバーテイクを防ぐべく、コーナーを曲がり切れないほど遅くブレーキを踏むという走法は、レース競技の倫理に反すると指摘した。

FIAは一貫した判断の重要性を強調したが、ドライバー側からは、誤った判断を続けるのは妥当ではないとの反論が飛んだ。また、トラックリミットの抑止力として、グラベルの設置を含むレイアウト変更についても議論が行われた。

ガイドラインの具体的な変更内容は明らかにされていないが、ルールの抜け穴と指摘されている先の”エイペックス規定”の見直しが行われるものと見られ、カタールGPに向けては、FIA、FIAシングルシーター委員会、そしてGPDA(F1ドライバー組合)の間で議論が行われる見通しだ。

カタールGPの週末に合意に至れば、新たなガイドラインは2024年シーズン中に導入される可能性がある。一方で更なる議論が必要になれば、導入は来シーズン以降にもつれ込む可能性がある。

なお2022年の導入以来、ガイドラインは継続的にアップデートされている。

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