
ハミルトン、シミュレーター当面中止を示唆。アップグレード機能もフェラーリ不発のマイアミ実情
2026年F1第4戦マイアミGPでルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、プラクティス、スプリント、予選を通してクルマの感触に戸惑っていた。チームメイトとは異なり、上位争いに一度たりとも加われなかった週末を経て、シミュレーターを使った週末への準備を当面、中止する可能性がある。
アップグレードされたフェラーリSF-26は、マイアミでの週末を通して力強さを見せる場面が何度かあった。シャルル・ルクレールは予選でトップ3に食い込み、レースでは序盤11周にわたって首位を走行した。だが、肝心な局面でパフォーマンスを失った。
一方、ハミルトンに関して言えば、彼自身が期待していた競争力には終始、届かなかった。
「明らかに、全然良い週末じゃなかった。7位と7位で、どちらのレースでも、どっちつかずだった」とハミルトンは認める。
スタート直後のフランコ・コラピント(アルピーヌ)との接触によるダメージにより、レースが長く実りないものに変貌する以前から、ハミルトンはルクレールに全く及ぶことができていなかった。
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
レース前のピットレーンでルイス・ハミルトン(フェラーリ)のSF-26を整備するメカニック、2026年5月3日(日) F1マイアミGP決勝(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)
シミュレーター相関への疑念
ハミルトンが各セッション通して下した結論は、従来とは違う準備のやり方、つまりシミュレーターを使わずに次戦カナダGPに備えるというものだった。シミュレーターが自身を「間違った方向に導いている」と考えているのだ。
「当面はシミュレーターなしで行くかもしれない」とハミルトンは語る。
「シミュレーターを使ってコースを走り、クルマのセットアップをある一定のところまで持っていくわけだけど、実際にサーキットに来ると、そのセットアップが機能しないんだ」
ハミルトンはまた、予選に向けてクルマに施したセットアップを初日フリー走行の段階から採用できていれば、結果は異なっていた可能性があるとし、「この部分は本当に深く掘り下げて調べてみる必要がある」と付け加えた。
シミュレーターは、シーズン中のテストが厳格に制限されている近代のF1において欠かすことのできない最重要ツールの一つだ。それを一旦、週末に向けた準備のプロセスから外すということは、シミュレーターと実走行の相関が取れていない可能性を示している。
最終的にハミルトンは、マイアミGPでフェラーリ勢最上位の6位でフィニッシュすることとなった。だがそれは、ルクレールが損傷したマシンの影響で最終ラップにコース外走行を繰り返し、ペナルティを科されたためだった。
失速したアップグレードの週末
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
ランド・ノリス(マクラーレン)とアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)を抑えてレースをリードするシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2026年5月3日(日) F1マイアミGP決勝(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)
一方のルクレールはレース序盤、トップ争いに加わり、ティフォシの期待を高めたが、それも予期せぬレースペース不足によって早々に色あせた。
ルクレールは、ミディアムタイヤでのスティントで「途方もない」デグラデーションに見舞われたと説明したが、ハードに履き替えた後も、トップ3フィニッシュを果たしたスプリントでの良い感触には至らなかったという。
それでも、完全に崩れ落ちたわけではない。ハードタイヤに履き替えた後、ジョージ・ラッセルとマックス・フェルスタッペンを抜き返した。だが、その後にオスカー・ピアストリへ先行を許した。断片的には速さはあったが、レースを支配するほどの持続力はなかった。
最終周には、摩耗したタイヤでスピンを喫した。結果としてバリアに接触し、損傷したマシンでフィニッシュへ向かうと、最後から2番目のコーナーでラッセルに追い抜きを許し、最後のストレートではフェルスタッペンに順位を奪われた。
メルセデスには及ばないものの、フェラーリは開幕3戦ですでに一定の競争力を持つマシンを手にしていた。だが、満を持して大型アップグレードが投入されたマイアミで、表彰台にすら上がれず週末を終えたという事実は、ある種の懸念と言える。
だがルクレールもチーム代表のフレデリック・バスールも、今回のアップグレードは「期待通りに機能した」としている。であるならば、フェラーリは苦戦の理由を別に求めなければならない。
ハミルトンが疑いの目を向けるシミュレーターと実走行との「ずれ」、ルクレールが直面した「途方もない」タイヤのデグラデーション。それぞれは別個の現象に見えるが、フェラーリがマシンのポテンシャルを安定して引き出せていないという点で共通している。