F1、近郊でミサイル攻撃発生もサウジアラビアGPを予定通り開催へ

闇夜に包まれたジェッダ市街地コース、2022年3月24日F1サウジアラビアGPCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

初日フリー走行1の最中にジェッダ市街地コース近郊の石油関連施設がミサイル攻撃を受けたにも関わらず、F1は当初の予定通り2022年F1第2戦サウジアラビアGPを開催する方針を明らかにした。

25日(金)に行われたFP1ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が無線を通して、何かが燃えているような匂いがするとチームに報告していたが、後に、サーキットから20km弱の場所に位置するサウジアラムコの石油施設が爆発炎上した事が明らかとなった。

AP通信によると、イエメンの親イラン武装組織フーシ派の報道官は、ミサイルでアラムコの関連施設を攻撃したとの犯行声明を出した。

このエリアの石油貯蔵量はサウジアラビア全土の供給量の4分の1以上を占めるとされ、フーシ派は2020年11月にもジェッダ北部の石油関連施設を巡航ミサイルで攻撃した。サウジアラビアは2015年にイエメンの内戦に軍事介入し、フーシ派の拠点を空爆。フーシ派は無人機やミサイルでこれに報復してきた。

これを受けF1のステファノ・ドメニカリCEOはFP2開始前に緊急会合を招集。セッションは15分遅れで開始され、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が初日を最速で締め括った。この緊急ミーティングにはFIAのモハメド・ベン・スレイエム会長とF1のスポーティング・ディレクターを務めるロス・ブラウンも出席した。

F1はその後「今日起きた事態を受け、F1は関連当局と緊密に連絡を取り合っている」との声明を発表し、予定通りにサウジアラビアGPを開催する方針を示した。

「当局からは予定通りイベントを継続できると確認されており、我々は今後も当局や全チームと緊密に連絡を取り合い、状況を注視していく」

また、現地プロモーターのサウジアラビア・モータースポーツ・グループも次の声明を発表し、関係者全員の安全を確保していくと述べた。

「今日午後、ジェッダのアラムコ配油所が襲撃された事は認識している。我々はF1やFIAだけでなく、サウジの治安当局と直接連絡を取り、F1サウジアラビアGPの観戦に訪れるすべての人々と、すべてのドライバー、チーム、関係者の安全を保証するために必要となるあらゆるセキュリティ安全対策を引き続き実施する」

「レース週末のスケジュールは予定通りに行われる。ゲストの安全と安心が我々の最優先事項である事に変わりはない」

なおFP2終了後の金曜現地22時には2回目の緊急会合が行われる予定となっている。

F1サウジアラビアGP特集

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了