F1スペインGP決勝:降格ペナで上位グリッド変動、気になる天気と最速タイヤ戦略…ルクレールはPLスタート

インターミディエイトタイヤを履いてカタロニア・サーキットのターン1を駆け抜けるセルジオ・ペレス(レッドブル)、2023年6月3日F1スペインGPCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

日本時間6月4日(日)22時にスタートを迎える2023年シーズンのFIA-F1世界選手権第8戦スペインGPのスターティング・グリッドと予想される最速タイヤ戦略、気になる天気を見ていこう。

スターティング・グリッド

アルピーヌ移籍後の最高成績を塗り替える予選4番手を刻んだピエール・ガスリー(アルピーヌ)が2件の走行妨害により計6グリッド降格ペナルティを受けたため、上位グリッドに変動が生じた。

この結果、ガスリーは10番グリッドに降格となり、予選5番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)以下6名のポジションが各々1ずつ繰り上がった。

Courtesy Of Alpine Racing

カタロニア・サーキットでアルピーヌA523をドライブするピエール・ガスリー、2023年6月3日F1スペインGP

同じく予選では、ハミルトンとジョージ・ラッセルのメルセデス勢同士による接触事故が発生したが、スチュワードはラッセルとチームに「正式警告」を与えるに留めたため、グリッドへの影響はなかった。

予選19番手と、4年ぶりのQ1敗退を喫したシャルル・ルクレール(フェラーリ)は決勝を前にセットアップを変更。更に3基目のES(バッテリー)と4基目のCE(コントロール・エレクトロニクス)を開封するなどパルクフェルメ違反を犯したため、ピットレーンからのスタートが命じられた。ローガン・サージェント(ウィリアムズ)も同様の理由によりピットレーンスタートとなった。

ポールポジションはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。今季初表彰台を狙う母国出身のカルロス・サインツ(フェラーリ)が最前列2番グリッドに着く。角田裕毅(アルファタウリ)は15番グリッドからの巻き返しに臨む。

以下は暫定のスターティンググリッド。決勝直前に発表される正式版との差異が発生した場合は更新される。予選順位との変動値を合わせて記す。

Pos No Driver Team Qualifying
1 1 M.フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1(-)
2 55 C.サインツ フェラーリ 2(-)
3 4 L.ノリス マクラーレン・メルセデス 3(-)
4 44 L.ハミルトン メルセデス 5(+1)
5 18 L.ストロール アストンマーチン・メルセデス 6(+1)
6 31 E.オコン アルピーヌ・ルノー 7(+1)
7 27 N.ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 8(+1)
8 14 F.アロンソ アストンマーチン・メルセデス 9(+1)
9 81 O.ピアストリ マクラーレン・メルセデス 10(+1)
10 10 P.ガスリー アルピーヌ・ルノー 4(-6)
11 11 S.ペレス レッドブル・ホンダRBPT 11(-)
12 63 G.ラッセル メルセデス 12(-)
13 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 13(-)
14 21 N.デ・フリース アルファタウリ・ホンダRBPT 14(-)
15 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダRBPT 15(-)
16 77 V.ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 16(-)
17 20 K.マグヌッセン ハース・フェラーリ 17(-)
18 23 A.アルボン ウィリアムズ・メルセデス 18(-)
19 16 C.ルクレール フェラーリ 19(-)
20 2 L.サージャント ウィリアムズ・メルセデス 20(-)

想定されるタイヤ戦略

シケイン撤去のレイアウト変更が行われたとは言え、依然としてタイヤのデグラデーションが大きな鍵となる事が予想される。

原則として各車は2~3ストッパーを検討しているはずだが、ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは「3ストップよりも2ストップの方が有利」だと説明する。

ピレリのシミュレーションによると理論的に最も速いのはソフト、ソフト、ハードと繋ぐ2ストッパーで、最初のピットストップ・ウインドウは13~18周目にオープンになると予想されている。

逆に、ハード、ソフト、ソフトと繋ぐパターンもあり得るが、カタロニア・サーキットはターン1までの距離が長いため、特に上位勢にとってはスタートタイヤにソフトを選んだ方が賢明かもしれない。この場合、最初のウインドウは37~43周目が予想される。

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2023年F1スペインGP最速タイヤストラテジー

昨年の主流、3ストッパーの場合はソフト、ハード、ソフト、ソフトと繋ぐのが最良のパターンで、最初のウインドウは10~15周目となる事が見込まれる。ただし新品ソフトを3セット温存しているドライバーに限られる。

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2023年F1スペインGPドライバー別温存タイヤセット

気になる天気は…

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

カタロニア・サーキットに持ち込まれたピレリのインターミディエイト・タイヤとフルウェット・タイヤ、2023年6月1日F1スペインGP

理論上のタイヤストラテジーは以上の通りだが、当然これはドライコンディションの場合に限られ、雨が降れば何の役にも立たない。

予選を含めた2日目はダンプコンディションとなった。日曜の現地バルセロナの天気はどうなのか? 気象局の予報によれば、決勝スタート時刻の現地15時の降水確率は60%と高い。

現時点での予報では、正午あたりから小雨が降り出し、その後は断続的に雨が降り続く見通しで、スタート時は路面が濡れている可能性が高そうだ。

ただ、レース中盤から終盤にかけて雨が止む予報となっているため、途中でコンディションが変化するトリッキーなレースになるかもしれない。

F1スペインGP特集

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了