F1サウジアラビアGP、一時的としていたジェッダ市街地コースで2027年までグランプリ開催
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ジェッダ市街地コースは当初、F1サウジアラビアGPの一時的な舞台としてカレンダー入りしたが、少なくとも2027年まで同地でグランプリが開催される見通しとなった。
史上初となるF1サウジアラビアGPは2021年に開催された。政府当局は当初、リヤド南西のキッディヤ(Qiddiya)に常設サーキットの建設を計画していたものの間に合わず、紅海沿いのコーニッシュ地区に一時的な公道コースを作り上げた。
数年以内にはキディヤのパーマネント・サーキットに舞台が移される予定であったが、完成の遅れから新コースでの開催は早くとも2028年となる見通しである事が分かった。
2023年のF1サウジアラビアGPは開幕バーレーンに続く第2戦として開催されるが、2024年はジェッダがシーズン開幕の地となる可能性がある。
これはイスラム教のラマダン(断食月)の時期が2024年3月10日~4月8日にあたる事からサウジ側が前倒し開催を求めているためだが、現時点では決定事項ではない。
英Autosportによるとサウジアラビア・モータースポーツ・カンパニーのマーティン・ウィテカーCEOは、ラマダンの時期にグランプリを開催する事は「不可能」だとしながらも、最終決定は「F1とFIAの手」に委ねられており、現時点では如何なる決定も下されていないと説明した。
なお2023年大会に先立ち、最終セクターのコーナリングスピードの低減と安全性向上を目的に、ジェッダ市街地コースは再びレイアウト調整が行われている。
「F1史上最速のストリートサーキット」と銘打たれたジェッダ市街地コースは、過去2大会を通してドライバーやパドック関係者から数々の批判を浴びてきた。セルジオ・ペレスをして、そのレイアウトは「意味もなく危険」だ。
問題となったのは高速にも関わらずバリアが近く、ブラインドターンが不必要に多い点だった。
初開催の週末にはクラッシュが相次ぎ、イベント主催者は2022年に向けてサーキットに僅かに手を加えたが、2回目の大会でもミック・シューマッハやF2ドライバーのジェム・ボリュクバシが壁に激突する事故が発生した。
レイアウトそのものに大きな変化はないが、ドライバーの視界性確保のためにコーナー径を小さくしたり、バリアの位置を後退させるなどの対策が施される。
なお、初日フリー走行1の最中に近郊の石油関連施設がイエメンの親イラン武装組織フーシ派からのミサイル攻撃を受けた事で昨年大会は大混乱の週末となったが、ウィテカーCEOは「サウジは完全に安全だ」と述べ、開催まで2ヶ月を切った今年のグランプリは滞りなく決勝レースが迎えられるはずと主張している。