F1:2026年度Q2決算で営業利益57%減、大幅減益の裏にある実態

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F1の商業権を保有するリバティ・メディアが8月6日(木)、2026年第2四半期(4〜6月)の決算を発表した。売上高は前年同期比38%減の7億6400万ドル(約1211億円)、営業利益は57%減の7300万ドル(約116億円)、本業の収益力を示す調整後OIBDAは61%減の1億3900万ドル(約220億円)と、一見すると急激な業績悪化を思わせる数字が並んだ。

もっとも、この数字は額面どおりに受け取るべきものではない。実際、F1のステファノ・ドメニカリCEOは決算発表に際して、「白熱したレースと魅力的な展開により、今季はこれまでのところ、観客動員数、視聴者数、デジタル・インプレッション数がいずれも増加するなど、ファンの関心が大幅に高まっている」と指摘した。

また、動画配信サービスの「Apple TV」が今季よりアメリカでF1全戦の配信を開始したことに触れ、「Appleとのパートナーシップも引き続き良好な反響を生んでおり、今季ここまでの視聴者数は前年同期比で増加し、総視聴時間も13%伸びている」と述べた。

決算書上の数値の悪化は主にレース開催数にある。2025年第2四半期に9戦が行われたのに対し、今季はわずか5戦にとどまった。レース開催数は44%少なく、放映権料、開催権料、スポンサー収入などを計上するタイミングにも前年との違いが生じた。

26年度Q2決算、4戦減の背景と上半期の見通し

4戦の差が生まれた背景には、カレンダーの組み替えと中東情勢がある。

日本GPは前年より早い3月に開催されたため、その収益は第2四半期ではなく第1四半期に計上された。さらに、バーレーンGPとサウジアラビアGPは中東情勢を受けて4月の開催が中止となり、エミリア・ロマーニャGPは2026年のカレンダーから外れた。その結果、4〜6月に行われたグランプリは前年の9戦から5戦に減少した。

シーズン前半戦で見ても、2025年の11戦に対して今季は8戦と3戦少ない(27%減)が、それでも上半期の売上高は16億2900万ドルから13億8100万ドルへの15%減にとどまった。調整後OIBDAは30%減の3億1100万ドル、営業利益は32%減の1億8000万ドルだった。

レース数の減少は、F1から各チームに支払われる分配金にも影響した。第2四半期のチームへの支払いは、前年同期の5億1300万ドルから3億1600万ドルへ減少した。上半期では6億2700万ドルから5億ドルへ縮小した。

一方、後半戦に向けては一定の回復が見込まれ、中東情勢による財務的な打撃を最小限に抑えられる見通しだ。4月開催が中止となったバーレーンGPは、10月にマレーシアで開催される。これにより、現時点で2026年シーズンのカレンダーは昨年より1戦少ない23戦を確保している。

マドリードの新サーキット、マドリンクで初開催されるスペインGPを含め、第3四半期は前年を1戦上回る7戦が行われる予定だ。最終四半期は、カタールGPとアブダビGPが開催されれば、昨年の7戦に対して8戦となる。

仮にこの最終2戦が中東情勢の影響で中止となった場合でも、F1は欧州で代替レースを開催する意向を明らかにしており、この場合、12月のシーズン最終戦の舞台はイモラ・サーキットが最有力候補とみられている。

スプリント拡大と高価格商品で収益成長へ

F1は将来的な増収を目指しているが、短期的にグランプリを増やす計画はない。代わりに検討されているのが、来季からのスプリントの増加だ。ドメニカリは、来季のスプリント増について「1000%確実だ」と述べた。

スプリントの開催は、金曜と土曜の観客動員数を押し上げる傾向が確認されており、各グランプリの主催者は、より多くの開催権料を支払う意向を示している。

来季の具体的な開催数は、2027年シーズンのカレンダー発表とあわせて公表される予定だが、「希少性」を重視する観点から、ドメニカリはすべてのグランプリでスプリントを開催する可能性を否定している。

増収計画のもう一つの柱は、高価格商品の提供だ。

富裕層向けのホスピタリティ・サービス「パドッククラブ」は今年分がすでに完売しており、ベルギーGPではLVMHと共同で提供する豪華ディナー体験「Outlap」が導入された。これは、コースを走行する特別仕様のコンテナ内で高級ディナーを楽しむもので、1人あたりの価格は1万ユーロを超える。来季は他の欧州会場でも展開される見込みだ。