カタロニア・サーキットを周回するメルセデスのルイス・ハミルトン、2022年2月25日F1バルセロナテストにて
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

F1バルセロナテスト《3日目》総合結果:メルセデスが最速締め!角田裕毅走行できず、4チームが早期終了

  • Published: Updated:

2月23日(水)よりカタロニア・サーキットで行われていたF1プレシーズン・バルセロナテストが3日間の日程を終え閉幕。25日(金)の最終3日目はメルセデスのルイス・ハミルトンが全体ベストを刻んだ。

W13の午後のプログラムを担当したハミルトンはC5コンパウンドを履いて1分19秒138をマーク。2番手には午前最速のチームメイト、ジョージ・ラッセルが続き、メルセデスがタイムシートの上部を独占した。チームとしては160周のマイレージを計上した。

上位2名からコンマ4秒遅れの3番手タイムを刻んだのは、レッドブルRB18を駆るセルジオ・ペレスだった。ペレスはチームメイトのマックス・フェルスタッペンをコンマ2秒差で4番手に抑えた。シルバーアローの2台は最も柔らかいC5、ペレスはC4、フェルスタッペンはC3タイヤでの計測だった。

アルファタウリの角田裕毅に出番はなかった。

午前を担当したピエール・ガスリーはセッション残り90分、ターン5でクラッシュを喫してこの日2度目の赤旗の原因となった。チームは角田裕毅担当の午後に向けて修復作業に取り組んだものの及ばず、早々に切り上げた。

好調フェラーリ勢はこの日も高い信頼性を発揮して計136周を走り込み、シャルル・ルクレールが6番手、カルロス・サインツが7番手に並んだ。

トップ2チームに続く5番手の座は、跳馬勢より2段階柔らかいC5を履いたセバスチャン・ベッテル(Aston Martin)が手にしたが、午前のセッション最終盤にオイル漏れによってリアから軽く出火。修復に時間がかかることから午後の走行を断念し、周回数は僅か48周に留まった。

フェラーリに続いたのはアルピーヌでもマクラーレンでもなく、ウィリアムズの二人だった。

アレックス・アルボンは94周と大量周回を重ね、C4タイヤでトップから1.180秒落ちの8番手タイムをマーク。ニコラス・ラティフィは同じくC4でチームメイトからコンマ4秒遅れの9番手に続いた。

2022F1バルセロナテスト3日目走行結果
Pos Driver Team Laps Time Gap Tyre
1 ルイス・ハミルトン メルセデス 94 1:19.138 0.000 C5
2 ジョージ・ラッセル メルセデス 66 1:19.233 0.095 C5
3 セルジオ・ペレス レッドブル 73 1:19.556 0.418 C4
4 マックス・フェルスタッペン レッドブル 59 1:19.756 0.618 C3
5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 48 1:19.824 0.686 C5
6 シャルル・ルクレール フェラーリ 44 1:19.831 0.693 C3
7 カルロス・サインツ フェラーリ 91 1:20.072 0.934 C3
8 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 94 1:20.318 1.180 C4
9 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 13 1:20.699 1.561 C4
10 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 85 1:20.790 1.652 C3
11 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 52 1:20.827 1.689 C3
12 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 12 1:21.242 2.104 C3
13 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 41 1:21.939 2.801 C3
14 ピエール・ガスリー アルファタウリ 40 1:22.469 3.331 C2
15 ニキータ・マゼピン ハース・フェラーリ 9 1:26.229 7.091 C3
16 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 10 1:30.433 11.295 C3

アストンマーチンとアルファタウリを含め、この日は計4チームがセッション終了を待たずにガレージを下ろしたが、特にアルファロメオにとっては非常に厳しいテストとなった。

午前のセッションで2回(スピンとトラブル)に渡って赤旗の原因となった周冠宇は、かろうじて41周を走行したものの、午後のバルテリ・ボッタスは10周目を終えたところで走行を断念。チームとしてトータル51周に留まった。

相次ぐ信頼性トラブルに見舞われたアルファロメオは、3日間で僅か175周しか走る事ができなかった。テストの7割近くを棒に振った計算だ。

アルピーヌは開始1時間を待たずにフェルナンド・アロンソ駆るアルピーヌA522がリアから白煙を吐いて停車。油圧喪失によるトラブルが原因で、チームからクルマを停めるよう指示が飛んだ。

ロシア軍によるウクライナ侵攻を受け、タイトルスポンサー契約解除の可能性が高まっているハースにとっても最悪の1日だった。

ギュンター・シュタイナー代表自ら、シート喪失の可能性を認めたニキータ・マゼピンは、午前を担当するもオイルリークによって9周のランに留まり、チームはミック・シューマッハによる午後のセッション参加を断念した。

最終3日目はドライコンディションでの午前のセッションを経て、午後は路面に人工的な散水が行われ、ウェットコンディションでの走行が行われた。

この日は上空を雲が覆った事もあり、さほど気温・路面温度は上がらず、コース上に出るクルマも少なかった事からレーシングラインがすぐにドライになる事はなかったものの、終盤は各車共にソフトタイヤを履いてタイムを更新していった。

フルウェット・タイヤを試したのはマクラーレンのダニエル・リカルドのみ。トラブル組を除く各車は緑色に縁取られたインターミディエイトタイヤでの感触を確かめ、データを収集した。