ロサイル・インターナショナル・サーキットのレッドブル・レーシングのガレージ前に置かれたピレリタイヤ、2023年10月5日F1カタールGP
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

チーム毎に差…F1バーレーンテストでのタイヤ選択、コンパウンド識別方法

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2月26日に初日を迎える2025年F1プレシーズンテストでは、最新のホモロゲーションを取得したピレリタイヤが使用される。今季のタイヤは、増大する空力負荷に対応するため若干の構造変更が施されており、各チームが使用するコンパウンドの種類やセット数は異なる。

コンパウンドの種類と識別方法

2025年F1プレシーズンテストにおけるピレリタイヤのラインナップと規定内圧・加熱温度、キャンバー角、2025年2月26日ー28日バーレーン・インターナショナル・サーキット (1)Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2025年F1プレシーズンテストにおけるピレリタイヤのラインナップと規定内圧・加熱温度、キャンバー角、2025年2月26日ー28日バーレーン・インターナショナル・サーキット (1)

ピレリがバーレーン・インターナショナル・サーキットに持ち込むドライコンパウンドは、以下の6種類。それぞれ次のように識別される。

  • C1(最も硬い):「Pirelli」と「P Zero」の文字が白、帯なし
  • C2:文字と帯が白
  • C3:文字が黄、帯なし
  • C4:文字と帯が黄
  • C5:文字が赤で、帯なし
  • C6(最も柔らかい):文字と帯が赤

2025年シーズンより、ピレリのタイヤラインナップには新たにC6コンパウンドが追加された。これは最も柔らかいタイヤで、主に市街地コースや負荷が少ないサーキット向けに開発されたものだ。

そのほかのコンパウンドも改良が施されており、特にC4とC5は、グレイニング(表面のささくれ)やデグラデーション(摩耗)を抑え、レースコンディションでの性能向上を目的とした改良が加えられている。

なおテストでは、インターミディエイト(緑)およびエクストリームウェット(青)も、従来通りのカラーで提供される。

チームのタイヤ戦略

各チームはバーレーンテストで最大35セットのタイヤを選択可能だが、実際に使用できるのは30セットまでと規定されている。バーレーンはタイヤに厳しいサーキットであり、例年のグランプリではC1〜C3の硬めのコンパウンドが主に使用される。

  • 最も人気のコンパウンド:C3(シーズン全体を通じて最も多用されるタイヤ)
  • 最多C3選択チーム:メルセデス(27セット)
  • 最少C3選択チーム:ウィリアムズ(15セット)
  • 最多C2選択チーム:ウィリアムズ(12セット)
  • 最少C2選択チーム:メルセデス(2セット)

2025年F1プレシーズンテストにおけるチーム別選択コンパウンド数、2025年2月26日ー28日バーレーン・インターナショナル・サーキットCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2025年F1プレシーズンテストにおけるチーム別選択コンパウンド数、2025年2月26日ー28日バーレーン・インターナショナル・サーキット

フェラーリとウィリアムズは、全6種類のコンパウンドを試す予定で、C5とC6は各1セットずつ選択している。一方で、アストンマーチンとアルピーヌは最も硬い3種類(C1〜C3)のみを使用する方針だ。

また、アストンとハースは雨用タイヤも確保しており、アストンはインターミディエイトを3セット、ハースはインター1セットとエクストリームウェット1セットを選択している。しかし、FIA公式の気象予報によると、テスト期間中に降雨の可能性はないとされている。

総走行時間が24時間に及ぶ今回のテストは、各チームの競争力を測る最初の重要な機会となる。新車の空力特性やセットアップの方向性、そして新しいピレリタイヤへの適応状況など、今季のパフォーマンスを占う要素が注目される。